ヒドラジン(英語表記)hydrazine

翻訳|hydrazine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒドラジン
hydrazine

化学式 N2H4刺激臭のある無色の液体融点 1.4℃,沸点 113.5℃。紫色の炎をあげて燃える。強力な還元剤として有機化学反応に用いられるほか,ロケット燃料として用いられる。強い毒性をもち,皮膚,粘膜をおかし,肝臓を害する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

ヒドラジン

化学式はN2H4。比重1.011(15℃),融点1.4℃,沸点113.5℃。空気中で強く発煙する無色の液体。水,アルコールによく溶け,強い還元剤。爆発性。有毒。過剰の希アンモニア水と次亜塩素酸ナトリウム溶液をゼラチンなどの存在下で反応させて得られる。1水和物N2H4・H2Oも同様な性質をもつ無色の液体で,比重1.03(21℃),融点−40℃以下,沸点120℃。ロケット推進剤,化学実験用試薬となるほか,医薬製造など各種合成化学工業で使用。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ヒドラジン【hydrazine】

化学式H2NNH2アンモニアに似た臭いのする無色の液体。空気中で発煙する。融点1.4℃。沸点113.5℃。水,アルコールに任意の割合でまざる。N-N結合の長さは1.47Å,二つの非共有電子対の間のねじれ角は90度である(図参照)。液体状態では安定だが,気体状態では不安定で,きわめて燃えやすい。空気あるいは金属の存在下に加熱したり,紫外線を照射すると,爆発的に分解して,窒素とアンモニア,または水素と窒素を生ずる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ヒドラジン【hydrazine】

無色の発煙性液体。水によく溶ける。化学式 H2NNH2 ヒドラジンとその塩は還元性が強く、還元剤やロケット燃料に用いられる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒドラジン
ひどらじん
hydrazine

窒素と水素の化合物。アンモニアまたは尿素を次亜塩素酸塩で酸化するラーシッヒ法で製造される。
  NH3+NaOCl―→NH2Cl+NaOH
  NH2Cl+NH3+NaOH
   →N2H4+NaCl+H2O
 最終的にヒドラジン一水和物の濃水溶液として得られる。重金属イオンが存在すると収量が低下するので、キレート剤、にかわなどを加える。次亜塩素酸塩のかわりに塩素とアセトンを用いるバイヤー法もある。
 無水ヒドラジンは無色、発煙性、アンモニア臭の油状液体。空気中では発煙する。強熱すると爆発する。水に易溶。弱い塩基でヒドラジニウム塩(一般式N2H5XおよびN2H6X2、Xは1価の陰性原子または基)をつくる。硫酸塩N2H6SO4は水に溶けにくい。水溶液は還元作用があり、銀塩溶液から銀を沈殿させ、鉄()塩を鉄()塩に変える。溶存酸素により窒素を生じる。酸化剤となることもある。
 一水和物N2H4H2Oは無色、発煙性の液体。式量50.1。融点-51.7℃。沸点は118.5℃(水銀柱740ミリメートル)。比重1.0305(25℃)。二大用途は高圧ボイラー用水の脱酸素剤と高分子材料の発泡剤で、ついで農薬用、医薬用である。過酸化水素とともにロケット推進薬の燃料として用いられる。また燃料電池などにも用いられる。きわめて有毒。[守永健一・中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

ヒドラジン

〘名〙 (hydrazine) 空気中で発煙する無色の液体。化学式は NH2NH2 不安定で、アンモニア、窒素、水素に分解しやすい。有毒。還元剤、ロケット燃料に用いる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

アポ電詐欺

《「アポ」は「アポイントメント」の略》電話を使用した振り込め詐欺の一。身内の者になりすまして電話番号が変わったと伝え、再度電話して金銭を要求したり、役所の担当者や銀行員などになりすまして電話をかけ、後...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ヒドラジンの関連情報