病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説
ビグアナイド系血糖降下剤
《ブホルミン塩酸塩製剤》
ジベトス(日医工)
ジベトンS(寿製薬)
《メトホルミン塩酸塩製剤》
グリコラン(日本新薬)
メトグルコ(大日本住友製薬)
メトホルミン塩酸塩(アステラス製薬、三和化学研究所、シオノケミカル、第一三共、第一三共エスファ、辰巳化学、武田テバファーマ、武田薬品工業、トーアエイヨー、東和薬品、日医工、日本ケミファ、ニプロ、日本ジェネリック、ファイザー)
血糖値を下げる薬です。エネルギーとして消費される血糖の量を増やして血糖値を下げ、腸から吸収される糖質の量を減らして血糖値を上げないようにはたらくと考えられています。
食事療法・運動療法に加えて、スルホニル尿素系血糖降下剤の効果がなかったり、副作用が出てスルホニル尿素系血糖降下剤が使えない2型糖尿病の人に用いられるのがふつうです。
①もっとも注意しなければならないのは低血糖です。これは、血糖値が下がりすぎるために脳がエネルギー不足におちいり、体に力が入らなくなったり、けいれんがおこったり、意識が薄れたりする副作用です。このような症状があるときは、必ず医師の診察を受けてください。
低血糖をおこさないために、食事は、1日3食、規則正しくとってください。1食抜いたり、食事の時間を遅らせたりすると、薬のために血糖値が下がりすぎ、低血糖をおこしがちです。
また、体調が悪いと、薬が効きすぎて低血糖がおこることがあります。とくに下痢・
体がふらついたり、手が震えたりするのが、低血糖の前兆のことが多いのです。前兆らしい症状に気づいたら、ブドウ糖10gまたは砂糖を20g程度、あるいはブドウ糖を含むジュースなどをとってください。低血糖を予防することができます。
いったん低血糖がおこると、治まったあと数日は、また再発する危険があります。いつもスティックシュガーやブドウ糖ゼリーなどを持ち歩くようにしましょう。
②薬によるアレルギー症状(過敏症状)が出たら服用を止め、すぐ医師に報告してください。また、光線過敏症がおこることがあります。薬を使用中は、皮膚を直接、日光にさらさないように気をつけてください。
③吐き気・嘔吐、下痢、便秘、食欲不振、腹部不快感、だるさ、頭痛、頭重、ねむけがおこることがあります。そのほか、
このような症状が現れたら、医師に連絡してください。
④副作用出現の有無をチェックするためにも、検査を指示されたら必ず受けてください。
①錠剤です。1日の服用回数、1回の服用量、服用期間については医師の指示を守り、医師の許可が出るまで服用し続け、かってに中止、増量・減量しないでください。
②食事療法・運動療法を正しく行ったうえで服用しないと、血糖降下剤の効果が上がりません。血糖降下剤は、薬の効果が出始めるまでの時間が人によって異なり、効果の持続時間も違います。肥満の人は、とくに食事療法と運動療法で肥満を解消しましょう。
③服用中は体重、血糖値などを調べる検査を指示されるはずです。必ず受けてください。
④あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。
とくに重症ケトーシス・糖尿病性
また肝臓病・腎臓病の人、不規則な食事をする人、食事摂取量が不足している人、激しい運動をする人、感染症にかかっている人、ほかの糖尿病治療剤を使用中の人は、あらかじめ医師に伝えてください。使用量を減量するといった対策を講じてもらう必要があります。
⑤禁酒を指示されたときは必ず守ってください。禁酒を守らないと低血糖がおこります。
⑥低血糖をおこすことがあるので、自動車運転や高所作業にたずさわる人は医師に相談してください。
⑦高齢者は、血糖降下剤が効きすぎて低血糖をおこしがちです。指示された1日の服用量・服用回数をきちんと守り、家族もこの薬の副作用をよく知って、高齢者に正しく服用させるように協力することが大切です。
⑧この薬を服用中に他の薬を使用する必要が生じた場合は必ず医師に相談してください。
服用する薬によってちがいはありますが、サリチル酸系解熱鎮痛剤、βブロッカー製剤、蛋白同化ステロイド剤、スルホニル尿素系血糖降下剤、インスリン製剤、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤などと併用すると、血糖降下剤の効果が過剰になって、低血糖がおこりやすくなることがあります。
また、副腎皮質ホルモン剤、甲状腺ホルモン剤、卵胞ホルモン剤、利尿剤、抗結核剤のイソニアジド系製剤、フェノチアジン系の抗精神病剤、ニコチン酸系の薬などと併用すると、血糖降下剤の作用が弱まることがあります。また、ヨード造影剤、ゲンタマイシン、利尿剤と併用すると乳酸アシドーシスの副作用をおこすことがあります。
シメチジン製剤、ドルテグラビル製剤、バンデタニブ製剤と併用するとこの薬の作用が増強することがあります。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報