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フクシン fuchsine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フクシン
fuchsine

マゼンタ,ロザニリンとも呼ばれる。化学式 C20H19N3 。分解点 186℃。その塩酸塩 (化学式 C20H20ClN3 ) は緑色金属光沢のある暗赤色結晶で,分解点 200℃である。冷水に難溶,温水に可溶,エタノールに易溶。最も古い合成染料の一つで,1856年に J.ナタソンにより見出され,78年に初めてつくられた。赤色のトリフェニルメタン系塩基性染料であり,染料または染料原料として用いられる。また,この水溶液に二酸化硫黄を飽和させると無色の溶液が得られるが,これにアルデヒドを加えると紫色を呈するので,フクシン-亜硫酸試薬としてアルデヒドの検出に用いられる。

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デジタル大辞泉の解説

フクシン(fuchsine)

塩基性染料の一。緑色の金属光沢のある結晶。温水に溶けて紫赤色、エタノールに溶けて赤色を呈する。木綿・麻・絹・羊毛などの染色のほか、分析試薬としても用いられる。マゼンタ。ローザニリン。唐紅(とうべに)。

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百科事典マイペディアの解説

フクシン

マゼンタ,ローズアニリンとも。紫赤色の塩基性染料。モーブに次いで古い合成染料で,アニリン,o-トルイジン,p-トルイジンの塩酸塩の混合物を酸化して得られる。トリフェニルメタン染料の代表的なもので,結晶は光輝ある緑色。
→関連項目春慶塗

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世界大百科事典 第2版の解説

フクシン【fuchsine】

マゼンタmagentaともいう。古くから知られた代表的な塩基性染料で,ローズアニリン,パラローズアニリンの別称をもつが,実際にはこれらの混合物である。赤紫色の塩基性染料で,アニリン,o‐トルイジン,p‐トルイジンおよびそれらの塩酸塩の混合物をニトロベンゼン,鉄,塩化亜鉛の存在で加熱して合成する。現在は繊維染色よりも,顕微鏡用生体染色,苗鑑別などに用いられる。緑色の金属光沢をもつ結晶で,水,エチルアルコールに溶け赤紫色を呈する。

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大辞林 第三版の解説

フクシン【fuchsine】

最も古くから用いられてきた塩基性合成染料。緑色の金属光沢のある結晶で、温水・エタノールに溶けてそれぞれ赤紫色・赤色を呈する。アニリン・トルイジンとその塩酸塩から合成され、各種繊維の染色、生体染色、印刷インクの製造のほか、アルデヒドなどの分析試薬として用いられる。唐紅とうべに。マゼンタ。ローズアニリン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フクシン
ふくしん
fuchsine

赤色系塩基性染料の一つ。トリフェニルメタン系マゼンタ系列に属す。1856年イギリスのW・H・パーキンによるモーベイン(モーブ)の合成直後にポーランドのナタンソンJacob Natanson(1832―1884)によって発見された。アニリン38部、o(オルト)-トルイジン35部、p(パラ)-トルイジン27部を縮合剤を用いて反応させたあと、酸化して合成する。いくつかの成分の混合物である。類似の構造で、成分組成の異なるものに、マゼンタ、ローザニリンがある。[飛田満彦]

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