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春慶塗 しゅんけいぬり

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

春慶塗
しゅんけいぬり

漆塗り技法の一種。素地 (きじ) に膠 (にかわ) 液を塗り,上に黄または赤の色彩を加え,さらに透明漆で上塗りして木目の美しさを出す技法。正倉院宝物中にもこの技法による作品があるが,一般化したのは 14世紀後半からで,堺の漆工,春慶の努力によるとされる。

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デジタル大辞泉の解説

しゅんけい‐ぬり【春慶塗】

漆塗りの技法の一。木地を黄または赤に着色し、透漆(すきうるし)を上塗りして木目が見えるように仕上げたもの。和泉(いずみ)国堺の漆工春慶の考案。のち全国で作られ、それぞれ産地名を冠してよばれるようになった。今日では能代(のしろ)春慶飛騨春慶などが代表的。

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百科事典マイペディアの解説

春慶塗【しゅんけいぬり】

漆工の塗りの一技法で,木目の美しさを出す透明塗の一種。木地を黄または赤で染め,摺(すり)漆(漆を薄く刷く)をしたのち,透(すき)漆(春慶漆)を塗って仕上げる。黄色にはくちなし,きはだ,雌黄(硫化ヒ素),オーラミンなど,赤色には洋紅(コチニール),フクシンなどの染料を使用。
→関連項目日光[市]

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅんけいぬり【春慶塗】

漆塗法の一種。木地に黄または赤で色付けし,透明な透漆(すきうるし)を上塗りして木目の美しさをみせる技法。一説に南北朝時代,和泉国堺の漆工春慶の創始と伝える。しかし正倉院に伝来する《赤漆文欟木厨子》は,木地を蘇芳(すおう)で染めて透漆を塗った今日の紅春慶塗の技法をみせ,すでに奈良時代から行われている。近世になり各地で各種の春慶塗が行われたが,現在は岐阜の飛驒春慶が主で,他に秋田の能代春慶(江戸初期,飛驒の工人山打三九郎が開いたという),茨城の粟野春慶,長野の木曾春慶などがわずかにその伝統を守っている。

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大辞林 第三版の解説

しゅんけいぬり【春慶塗】

漆器の一。黄や赤に着色をした木地に透き漆をかけ、木目の美しさが見えるように仕上げたもの。和泉国堺の漆工春慶が始めたと伝える。のち全国的に行われ、その産地により堺春慶・飛驒春慶・能代のしろ春慶などと呼ばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

春慶塗
しゅんけいぬり

漆器の素地(きじ)の表面を黄または赤に着色したうえ、透漆(すきうるし)で上塗りする漆工技法の一種。木地の木目模様を、漆膜を透かしてよく見せることが目的である。その起源は奈良時代の赤漆(せきしつ)で、これは木地を蘇芳(すおう)で染めた上に透漆を塗る技法であった。遺品に正倉院の赤漆文欟木厨子(あやつきずし)があげられる。春慶塗という名称は、応安(おうあん)年間(1368~75)に堺(さかい)(大阪府)の漆工春慶が考案した漆塗り技法によるもので、この技法が堺春慶として全国各地に伝わり広まった。そのため、土地の名を冠した名称があり、飛騨(ひだ)春慶(岐阜県高山市)、能代(のしろ)春慶(秋田県)、粟野(あわの)春慶(茨城県)、木曽(きそ)春慶(長野県木曽町)、伊勢(いせ)春慶(三重県)があげられ、堺春慶、吉野春慶、日光春慶などは今日では名のみ残している。
 春慶塗は産地によってそれぞれ特色のある微妙な色調の相違がみられ、黄と赤の2系統に大別される。黄春慶(石黄、支子(くちなし)、黄蘗(きはだ)、オーラミン、チオフラビンで着色)と赤春慶(鉄丹、朱、洋紅、スカーレット、フクシンで着色)であり、伝統的技法では自然染料を、近代的製品では化学染料を用いている。[郷家忠臣]

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