フラックス
flux
溶剤,融剤,または媒溶剤とも呼ばれる。おもに,酸化物,塩化物,フッ化物からなる物質で,鉱石を製錬する際に用いられる。冶金学上の用語で,明確な定義はない。フラックスは鉱石の溶解を促進し,鉱石に含有される不純物の脈石成分と化合してスラグとなる。鉄鉱石の製錬では石灰石がフラックスであり,得られる銑鉄の成分に影響を及ぼす。金属の溶解のときに使用されるフラックスは,溶解の際の酸化防止,溶融金属表面のスラグの諸性質変更,非金属介在物の除去,脱ガスなどが目的である。金属の連続鋳造で使用されるものは,非金属介在物の除去,酸化防止,そのほか熱伝達に関係して鋳塊の表面状態に大きい影響を及ぼす。はんだ付け,鑞付け,溶接,溶融めっきに使用されるものは,接合される金属の接着面の酸化物を除去し,金属のぬれ性を改善して接合を完全にすることに寄与する。
執筆者:佐藤 彰
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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フラックス
Flaccus, Marcus Fulvius
フラックス
flux
溶解,融剤,電気・液体・エネルギーなどの流れなどの意味があり,利用分野によって,溶剤,融剤,易溶成分,溶融成分などという。使用目的によって分けると次のようなものがある。 (1) 試料を溶けやすい形に変えるために加えるフラックス (硫酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウムなど) 。 (2) 冶金でスラグを生じさせるために加える物質 (石灰石,蛍石など) 。 (3) 窯業で融解性や焼結性をよくしたり,彩色するための顔料を融着させたり,ガラス質の融解を助けるために加える物質 (種々のフッ化物など) 。 (4) 溶融メッキ,アルミニウム精錬,エレクトロスラグ溶解に用いるもの (塩化物,フッ化物など) 。 (5) 溶接時におけるスラグ生成と金属の酸化防止に用いる物質 (ホウ砂,水ガラス,リン酸塩,塩化物など) 。 (6) 単結晶の合成 (溶融法) 用フラックス (フッ化物) 。
フラックス
Flaccus, Aulus Avillius
古代ローマの政治家。エジプト総督 (32~38) としてアレクサンドリアのギリシア系市民に迎合して反ユダヤ人政策をとったため,同市でユダヤ人迫害が起った。しかし 38年予期せずに逮捕され,ローマで陰謀のかどで断罪,エーゲ海上のアンドロス島に流刑,のちに処刑された。アレクサンドリアのユダヤ人哲学者フィロンは彼を弾劾する論著を記した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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フラックス
溶剤,融剤とも。冶金学上の言葉で,金属製錬の際,鉱石の溶融促進やスラグの性状調節のため,鉱石に添えて炉に装入するもの。製鉄の石灰石,アルミニウム製錬の氷晶石など。また溶接やはんだ付けなどで,接合面の酸化防止のため添加する塩化物,ホウ砂,樹脂などもフラックスという。
→関連項目乾式製錬|スラグ|はんだ付け|溶剤
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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フラックス
米国の作家スティーヴン・バクスターの長編SF(1993)。原題《Flux》。「ジーリー」シリーズ第3作。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
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出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のフラックスの言及
【接地層】より
…接地境界層,等流束層ともいう。この層中では運動量,熱,水蒸気の鉛直方向の流束(フラックスflux)が,地表面での値とほとんど等しいとみなされている。この意味で,地表における値と変わらない一定の流束をもつ気層つまり流束一定の気層と呼ばれることもある。…
【接地層】より
…接地境界層,等流束層ともいう。この層中では運動量,熱,水蒸気の鉛直方向の流束(フラックスflux)が,地表面での値とほとんど等しいとみなされている。この意味で,地表における値と変わらない一定の流束をもつ気層つまり流束一定の気層と呼ばれることもある。…
【スラグ】より
…溶融金属製錬における原料中の不純物成分と,目的金属等からのその不純物成分の分離を助けるために加えた[フラックス](媒溶剤成分)とからなる液相の総称。のろ,滓(さい)とも呼ばれる。…
【製鉄・製鋼】より
…ケイ酸分が低く,Mn含有量が40%以上のものが望ましい。
[溶剤]
[フラックス]ともいう。鉄鉱石には脈石が含まれており,またコークスには灰分(SiO2,Al2O3が主体)が12%程度ある。…
※「フラックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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