翻訳|cryolite
複ハロゲン鉱物の一つ。アルミニウムの電解精錬の際の溶剤として重要である。ある種のアルカリ花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に多産し、またある種の流紋岩中、カーボナタイト、アルカリ性条件下で生成された堆積(たいせき)岩中に産する。日本からはまだ報告されていない。自形は擬正方短柱状であるが、きわめてまれである。ろうそくなどの炎で弾けたように砕片化する。塩化アルミニウムの水溶液に溶解する。英名はギリシア語で氷あるいは霜を意味するクルオスkruosに由来する。
[加藤 昭]
鉱物の一種。化学組成はNa3AlF6。単斜晶系に属し,通常塊状集合体として産出し,しばしば集片状に双晶をなす。{001},{110}に剝離し,断口は不規則。無色,白・褐・赤色,まれに黒色を呈し,ガラス~油脂光沢を有する。モース硬度2.5,比重2.97。脆弱である。グリーンランド西部の大きなペグマタイト鉱床といわれるイビットゥートIvigtutが経済的な唯一の産地であったが,1969年に閉山した。世界各地に少量産出するが,現在経済的に採掘されているのはデンマークだけで,年間1000t程度である。アルミニウム製錬の際アルミナAl2O3を電解するときの溶剤として使用される。現在はフッ化水素HFに水酸化アルミニウムAl(OH)3を溶解し,これを苛性ソーダまたは炭酸ソーダと中和し沈殿させてつくる人工氷晶石が多く用いられている。名前は,氷のように見えるため,ギリシア語のkryos(冷気),lithos(石)に由来する。
執筆者:嶋崎 吉彦
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cryolite
化学組成Na3AlF6の鉱物。単斜晶系,空間群P21/n,格子定数a0.539nm, b0.559, c0.776, β90°11′,単位格子中2分子含む。通常塊状,しばしば集片状に数種の双晶をなす。{001}・{110}剝離,断口不規則,脆弱,硬度2.5,比重2.97。ガラス~脂肪光沢,無色・白・褐・帯赤・赤,まれに黒色,条痕白色。二軸性正,2V43°, 光分散r<v,屈折率α1.3376, β1.3377, γ1.3387。西グリーンランドの大ペグマタイト鉱床中に産し,他にも少量各地に産出。溶剤としてアルミニウム冶金に用いられ,人工氷晶石が相当量つくられている。氷のように見えるため,ギリシア語のkruos(霜),lithos(石)から命名。
執筆者:嶋崎 吉彦
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Na3[AlF6].グリーンランドのペグマタイト中に産出する.そのほかでは天然の産出は少ないが,人工氷晶石がつくられている.単斜晶系,空間群 P 21/n,格子定数 a0 = 0.547,b0 = 0.562,c0 = 0.782 nm.β = 90°11′.単位胞中に2個の基本組成が入る.密度2.97 g cm-3.硬度2.5.普通,無色または白色で,ときに褐色や赤色.塊状で産出することが多い.また,集片双晶も多くみられる.条痕は白色.560 ℃ で立方晶系の高温型に転移する.融点1020 ℃.アルミニウムの電解精錬の融剤に用いられる.
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