ブイ(その他表記)V/v

デジタル大辞泉 「ブイ」の意味・読み・例文・類語

ブイ(V/v)

英語のアルファベットの第22字。
〈Ⅴ〉ローマ数字の5。
〈V〉《vanadiumバナジウム元素記号
〈V〉《volt電圧単位ボルト記号
victory》勝利。優勝。「Vサイン」「今季初V
〈V〉「VTR2」の略称
〈V〉《Vulnerable》「危急種」の略号
〈V〉《verb》英文法などで、動詞を示す符号。→SOC
[補説]書名別項。→ブイ

ブイ(buoy)

係船航路標識のための浮標
救命用の浮き袋救命袋。「救命ブイ
[補説]作品名別項。→浮標ブイ

ブイ【V.】[書名]

米国の小説家ピンチョンの処女長編小説。1963年刊。フォークナー賞を受賞

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精選版 日本国語大辞典 「ブイ」の意味・読み・例文・類語

ブイ

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( [英語] buoy )
    1. 航路暗礁、投錨(とうびょう)の位置などを知らせるため、また、船舶を繋留するために水面に浮かべておく標識。浮標。うき。〔英和商業新辞彙(1904)〕
    2. 救命浮環
      1. [初出の実例]「浮袋(ブイ)が沢山ありますから五つ六つ位の子供でも四五十間沖までつれて行かれます」(出典:風俗画報‐三二二号(1905)人事門)
  2. [ 2 ] ( 浮標 ) 戯曲。五幕。三好十郎作。昭和一五年(一九四〇)発表。同年築地小劇場で新築地劇団が初演。太平洋戦争直前、転向洋画家久我五郎と死に瀕した妻美緒を主人公に、転向や戦争への抵抗の問題を追究し、人間本来の姿を描出した。

ブイ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] V, v )
  2. 英語のアルファベットの第二二字。
  3. ( V ) ローマ数字の五。
  4. ( V ) 化学で、バナジウムの元素記号。
  5. 電圧の単位、ボルト(volt)の記号。
  6. ( [英語] victory の略 ) 勝利。

ぶい

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる ) 放屁の音、またそのさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「初会のざしき、女郎、ぶいとの仕ぞこない」(出典:咄本・鹿の子餠(1772)屁)

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改訂新版 世界大百科事典 「ブイ」の意味・わかりやすい解説

ブイ
buoy

水面上に浮かんで位置を標示する浮体をいい,標示内容や方法に応じて浮標,浮環,浮具などとも呼ばれる。ブイには航路標識の浮標や係船浮標のように係留されるものと,救命浮環のように係留されないものとがある。航路標識の浮標は航路や暗礁などを示すもので,その存在とともに種別を明確に示す必要があるため,塗色や形状が浮標式により定められている。係船浮標は係留される船舶の運動範囲を制限し泊地の限られた水面を有効に利用するために用いられるもので,浮標係留鎖の水面上の端部を示す。円台形などの形状をした浮体,船舶の係留力により変位することのない十分な抵抗力をもったおもりや複数個の錨,係留鎖その他で構成されている。救命浮環は転落者などを水中で支えるために応急に使用される環状の浮体である。浮力が十分あることおよび発見されやすい色をしていることが必要であり,他の救命設備と同様にだいだい色に塗色されることが多い。
執筆者:


ブイ (浮標)

三好十郎の戯曲。5幕。《文学界》1940年6~8月号に連載,同年3月,新築地劇団が八田元夫の演出で初演。戦中の酷薄な状況に生きる知識人像を描いた新劇の傑作として知られている。ドラマは,画家の久我五郎が病妻の美緒を看護しつつ,千葉の郊外でひっそりと暮らしているところからはじまる。妻の病状の悪化にともなって,画家としても自信がもてなくなりかけるのだが,〈生きている事が一切だ〉という信条を,亡くなる美緒に語りかける。左翼からの転向者としての五郎を主人公にしただけに,三好十郎ばかりでなく,当時の知識人の心象風景を反映したものと評価され,大きな反響をよんだ。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブイ」の意味・わかりやすい解説

ブイ
ぶい
buoy

浮標(ふひょう)ともいう。航行援助用として錨(いかり)や錘(おもり)によって海底につなぎ、海上に浮かべた構造物で、船舶に岩礁、浅瀬(あさせ)などの障害物の存在を知らせたり、航路を示すために用いられる。夜間にも有効なように灯光を発するものを灯浮標、灯光を発しないものを浮標といい、何を示すかは浮標式によって定められている。霧などで視界の悪いときにも役だつように、波浪によって吹鳴するホイッスル、波浪で標体が動揺することによって打鳴する鐘、電気振動により定められた周期で音を発する電気ホーン、レーダー波の反射効果をよくするためのレーダー反射器を付設した浮標もある。

 「ブイ」ということばは、ほかにも、船舶を係留する係船ブイ、錨の位置を示すためのアンカーブイなどのほか、かならずしも海底につながれていないラジオブイ(遭難信号自動発信器)などと用いられることもある。

[川本文彦]

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百科事典マイペディア 「ブイ」の意味・わかりやすい解説

ブイ

浮標ともいう。水路や障害物を示す航路標識として用いたり,船の係留用に港に設けたりする浮体の総称。電波を発する標識ブイのラジオブイもある。ロープなどで海底のいかり,おもりに連結,定位置に保持する。なおカポックなどで作った救命浮環は救命ブイとも呼ぶ。
→関連項目灯浮標ラジオブイ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブイ」の意味・わかりやすい解説

ブイ

浮標」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のブイの言及

【海洋観測】より

…科学的な計測では追試できることが必須の条件で,これらの測定法の相互の比較較正が行われることはいうまでもない。測器を搭載するプラットフォームとして,観測塔,観測船,潜水調査船,航空機,人工衛星,そして漂流ブイや係留ブイなどのブイシステムが使われる。大別して,観測塔や係留ブイのように,ある地点のデータを長期にわたって集めるものと,観測船や潜水調査船などのように通常広い範囲の瞬間のデータを集めるものとがある。…

※「ブイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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