ブリストル(英語表記)Bristol

翻訳|Bristol

デジタル大辞泉 「ブリストル」の意味・読み・例文・類語

ブリストル(Bristol)

英国イングランド南西部の港湾都市ブリストル海峡に注ぐエーボン川の下流に位置する。17世紀以来、アメリカ大陸との貿易で繁栄。造船業が盛ん。

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精選版 日本国語大辞典 「ブリストル」の意味・読み・例文・類語

ブリストル

  1. ( Bristol ) イギリス、イングランド南西部の港湾都市。穀物原油などの輸入物資の輸送拠点。かつては新大陸への基地として、アメリカとの三角貿易が行なわれた。伝統的な造船業はじめ、皮革・食品工業が盛ん。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブリストル」の意味・わかりやすい解説

ブリストル
Bristol

イギリス,イングランド南西部のエーボン州にある商工業都市で州都地名は〈橋のある場所〉の意。人口39万1500(2003)。ブリストル海峡に注ぐエーボン川の下流,フルーム川との合流点に位置し,エーボン川河口のエーボンマウスにある国際港湾やイングランドとウェールズを結ぶ鉄道によって交通の要衝をなし,航空機,原子力,タバコ製粉,印刷などの工業が発達する。サクソン人の集落が成立するのは10世紀になってからであるが,ノルマン征服時にはすでに城が建設されて交易中心となっており,1155年にはヘンリー2世により同市へ初めて特許状が出され,1373年には独立の州となった。このころから毛織物工業が発展し,製品はアイルランド,スペインなどへ輸出された。また近世にはJ.カボットら航海者の出帆地となり,新大陸とのタバコ,砂糖の交易,さらには三角(奴隷)貿易で繁栄し,ガラス,陶器工業も立地した。その後,リバプールの台頭,奴隷貿易の廃止によって一時衰退するが,大西洋横断汽船グレート・ウェスタン号の建造やJ.L.マッカダムによるマッカダム道路の発祥の地となり,19世紀中葉には大西洋貿易の拠点としての繁栄をとり戻して,イングランド南西部の商業中心にもなった。市街はエーボン川とフルーム川の合流点にある小丘を中心に広がり,12世紀のアウグスティヌス会修道院で19世紀に再建された大聖堂,14世紀のセント・メアリー・レドクリフ教会など古い建築物が多いが,第2次世界大戦の空襲でかなり破壊された。1876年創立のブリストル大学があり,詩人R.サウジーの生地。
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百科事典マイペディア 「ブリストル」の意味・わかりやすい解説

ブリストル

英国,イングランド南西部,ブリストル湾に注ぐエーボン川河口から14kmにある都市。エーボン州の州都。商業・交通・貿易の中心地。中世には羊毛製品の大陸向け貿易の中心で,のちアイルランド,アメリカ大陸との貿易拠点となり,奴隷,砂糖,タバコなどの貿易で発展した。近隣の炭田を基礎に製糖,タバコ,造船,車両,自動車,皮革,製粉などの工業が立地する。1497年アメリカ探検のカボット父子の出港地でもある。大学(1909年創立)がある。42万8234人(2011)。
→関連項目バース

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ブリストル」の解説

ブリストル
Bristol

イングランド西部の港湾都市。中世から毛織物,ブドウ酒の取引で栄え,大航海時代の開幕により,アメリカ,アフリカを結ぶ三角貿易の中心として,奴隷砂糖タバコによって巨富を築き,一時はロンドンにつぐイングランド第2の都市であった。産業革命後は造船業をはじめとする重工業が立地したため,第二次世界大戦中に爆撃を受けて,多大の被害をこうむった。

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世界大百科事典(旧版)内のブリストルの言及

【イギリス】より

…(6)南西部 コーンウォール半島を中心とする地域で,南部海岸では温暖湿潤な気候を利用して輸送園芸もみられるが,丘陵部では乳牛や羊,肉牛の放牧地域となる。プリマス,エクセターなどの港湾都市がイギリス海峡側にあるが,むしろこの地域の中心は,航空機・食品工業の発達したブリストルである。
[ウェールズ]
 ほとんどが準平原状の高原でおおわれ,かつ年降水量1250mm以上の湿潤気候であるため,羊,肉牛の粗放的放牧に重点がある。…

※「ブリストル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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