ブリンディジ(その他表記)Brindisi

デジタル大辞泉 「ブリンディジ」の意味・読み・例文・類語

ブリンディジ(Brindisi)

イタリア南部、プーリア州港湾工業都市。サレント半島北岸、アドリア海に面した天然の良港を擁し、古くからギリシャ、アジア方面への海の玄関口として栄えた。大航海時代以降、重要性が薄れて長らく停滞していたが、19世紀のスエズ運河開通以降、再び同国を代表する港の一つになっている。アッピア街道終点を示す古代ローマ時代の円柱アラゴン家が建てた城が残っている。ブリンディシ

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改訂新版 世界大百科事典 「ブリンディジ」の意味・わかりやすい解説

ブリンディジ
Brindisi

イタリア南部,プーリア州のアドリア海に面する港湾都市。古名ブルンディシウムBrundisium。人口9万3290(1990)。イタリア半島最南端に位置する天然の良港で,古代から東方への中継地として栄え,農業,商工業の中心地。ローマ時代,アッピア街道によりローマ~ブリンディジ間が直通し,東方への軍港,商業港として繁栄中世には聖地巡礼十字軍の出発地であった。アンジュー,アラゴン,スペイン,ブルボンの支配を経,スエズ運河の開通により1870-1914年には西洋と東洋を結ぶ主要港となった。両大戦下では軍港として発展。1943年9月から44年2月まで,イタリア王国政府の臨時本部となる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブリンディジ」の意味・わかりやすい解説

ブリンディジ
Brindisi

イタリア南部東端,プーリア州ブリンディジ県の県都,港湾都市。アドリア海にのぞみ,古くはギリシア語でブレンテシオン,ラテン語でブルンディシウムと呼ばれたギリシアとの連絡港。前 266年にローマの都市となり,半世紀後にはハンニバルに対する抵抗の拠点となった。前2世紀頃ローマから通じるアッピア街道の終点として重要性を増した。その後は支配者の交代が続き,1071年にノルマン人によって占領され,十字軍の出発港として繁栄。その後スエズ運河の開通により発展。現在はおもに漁港で,南イタリアの工業化推進の中心の一つ。水産,缶詰加工,石油化学工業が行われる。市内にアッピア街道の終点を示す記念柱,12世紀創建の大聖堂などがある。人口9万 1778 (1991推計) 。

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百科事典マイペディア 「ブリンディジ」の意味・わかりやすい解説

ブリンディジ

イタリア南部,プーリア州のアドリア海岸の港湾都市。農・漁業の中心地で,ギリシアへのフェリーが発着。古くはブルンディシウムと呼ばれ,ローマ時代,アッピア街道によってローマと直通し,東方への重要な港であったが,十字軍以後衰退した。スエズ運河開通後は西アジア諸国との貿易港として重要性を回復。第2次大戦後,南部開発政策により,大工業地区が形成された。9万人(2006)。
→関連項目メッツォジョルノ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリンディジ」の意味・わかりやすい解説

ブリンディジ
ぶりんでぃじ
Brindisi

イタリア南部、プーリア州ブリンディジ県の県都。人口9万1664(2001国勢調査速報値)。サレンティーナ半島北岸、アドリア海に臨む港湾・工業都市で、農産物の集散地。港は天然の良港で、ローマ時代にはアジア方面への渡航基地として栄え、またアッピア街道の終点でもあった。その後、停滞の時代が長く続くが、1869年のスエズ運河開通を契機として活路が開かれた。現在は東地中海、とくにギリシアへの連絡港として重要。1943年9月~44年2月バドリオ政権の拠点が置かれた。

[堺 憲一]

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世界大百科事典(旧版)内のブリンディジの言及

【プーリア[州]】より

…イタリア半島の南東部を占め,アドリア海に沿っており,南東端のサレント半島の南岸はイオニア海のターラント湾に臨んでいる。フォッジア,バーリ,ターラント,ブリンディジ,レッチェの五つの県があり,州都はバーリ。山がちなイタリアのなかで,この州はほとんどが平野もしくは台地上の丘陵で,北西部のアドリア海に突き出たガルガノ半島およびモリーゼ,カンパニア両州との境界が山地をなしている程度で,標高1000mを超える山はわずかである。…

※「ブリンディジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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