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ブルバキ ぶるばきBourbaki

知恵蔵の解説

ブルバキ

1930年代にフランスで生まれた、若き数学者集団のペンネーム。公理に基づいて構造を分析するという構造主義の手法は、数学に大きな影響を与えた。ブルバキはこの思想に基づいて10部門60以上の章から成る『数学原論』を執筆して、大規模な数学の基礎理論の再構築を図った。活動初期にはヴェイユ(A.Weil)、カルタン(H.Cartan)、シュヴァレー(C.Chevalley)など、中期にはセール(J.‐P.Serre)、グロタンディーク(A.Grothendieck)など20世紀を代表する数学者の参加を得、20世紀中頃には世界の数学界を席巻した。

(桂利行 東京大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

ブルバキ(Nicolas Bourbaki)

1934年ごろ設立したフランスの若い数学者集団のペンネーム。のちに他国人も参加。1939~69年刊行の「数学原論」全33巻を共同執筆。構造の概念を数学的に定式化し、数学の基礎的諸部門を体系的に記述。現在、セミナール‐ブルバキを年3回パリで開催。

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大辞林 第三版の解説

ブルバキ【Nicolas Bourbaki】

フランスの数学者集団のペン-ネーム。もとは普仏戦争時のフランスの将軍の名前(Charles B.1816~1897)。1930年代から活躍、ヒルベルトの提唱した公理主義に基づき数学の体系化を図る。「数学原論」を刊行。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ブルバキ
ぶるばき
Nicolas Bourbaki

フランスの数学者集団の筆名。1934年ごろ、『数学原論』を共同著作するために、カルタンHenri Cartan(1904―2008)、シュバレーClaude Chevalley(1909―1984)、デルサルトJean Delsarte(1903―1968)、ディュドンネJean Dieudonn(1906―1992)、ベーユらが設立した。構成員は50歳を定年とするため、何度か変わり、フランス人以外も参加するようになった。A・グロタンディエク、L・シュワルツ、セールJean-Pierre Serre(1926― )らもかつて構成員であった。年3回、セミネール・ブルバキをパリで開催、専門家に依頼して数学各分野の成果を整理した形で報告してもらい、その報告要旨を出版している。
 『数学原論』は、集合論、代数、位相、実一変数関数、位相線型空間、積分、スペクトル論、可換代数、リー群とリー環、多様体(要約のみ)の10部門40冊が出版されている。『数学原論』は、構造の概念を初めて数学的に定式化し、それを数学各部門の分類の基礎として、数学の基礎的諸部門を体系的に記述した画期的な著作で、よく整理された本文のほかに、多くの結果を含む演習問題と、その分野の歴史を概観した歴史覚書からなる。歴史覚書は『数学史』として別に出版されている。テンソル積、外積代数、位相線型空間など、それまで書籍にまとめられたことのなかった重要な概念を初めて体系的に記述し、普及させた功績も大きい。[杉浦光夫]
『前原昭二他訳『数学原論』全4巻(1968、1969・東京図書) ▽清水達雄・村田全訳『数学史』(1993・東京図書) ▽ファング著、河村勝久訳『ブルバキの思想』(1975・東京図書)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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