プリマス(読み)ぷります(英語表記)Plymouth

翻訳|Plymouth

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

プリマス(イギリス)
ぷります
Plymouth

イギリス、イングランド南西部にあるユニタリー・オーソリティーUnitary Authority(一層制地方自治体)の海港都市。人口24万0718(2001)。タマー川Tamarの河口にプリム川Plymが流入する所に位置する。プリマス、ストーンハウス、デボンポートの3市が1914年に合併、成立した。イギリス海峡の西端に臨み、天然の良港に恵まれるため、中世以来港町として栄えてきた。現在はポーツマスに次ぐイギリス第二の軍港で、両大戦時にも重要な役割を演じた。また貿易港としても重要で、北アメリカ、西インド諸島、オーストラリア、ニュージーランドなどとの貿易が盛んである。第二次世界大戦後、中心部の商店街、ビジネス地区などの再開発が行われて近代化が進み、郊外には新たに軽工業団地も設けられている。デボンポート地区の造船をはじめ、帆布、ロープ、精糖、製粉、肥料、化学製品などの工業がある。港は漁業基地でもある。[井内 昇]

歴史

古くはサットンSuttonという名の漁村であったが、1439年ヘンリー6世から特許状と現在の地名を与えられて自治都市になった。以後、イギリス海峡の入口を扼(やく)する地理的位置から海軍の基地として発達し、16世紀にはホーキンズ父子、ギルバート、ドレークらの探検航海者や私掠(しりゃく)船長たちの根拠地となり、1588年スペインのアルマダ(無敵艦隊)の来襲時にはイギリス艦隊が当市沖で待機し出撃した。1620年巡礼始祖(ピルグリム・ファーザーズ)のメイフラワー号は当市からアメリカに出航し、上陸地の現マサチューセッツ州プリマスをはじめ、多くの同名の町がアメリカ大陸にできた。ピューリタン革命期には議会派につき、南西イングランドの都市で唯一、国王派に属さなかった。1666年海岸に城塞(じょうさい)が設けられ、海からの守りが強化された。その後もポーツマスに次ぐ海軍基地として発達し、第二次世界大戦中はドイツ軍の空襲でかなりの被害を受けた。1944年連合軍のヨーロッパ大陸への反攻時(ノルマンディー上陸作戦)には、アメリカ軍の一部が当市から出撃。[松村 赳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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