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ベルファスト ベルファストBelfast

翻訳|Belfast

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベルファスト
Belfast

イギリス北アイルランドの首都。アイルランド島の北東岸,ノース海峡のベルファスト湾に臨む港湾都市,および地区(district council area)。アイルランド語では Béal Feirste。ベルファスト湾の湾奥に注ぐラガン川の河口部に位置する。1177年頃渡河点を見おろす地点に建設された城を中心に発展。この城は 17世紀初めまで存続した。1611年建設された新しい城は,1641年アルスター地方一帯で起こった反乱の際も破壊を免れた。1685年には人口約 2000で,その多くは煉瓦,ロープ,漁網,帆布,織物などの工業に従事し,小規模ながら造船も行なわれていた。城は 1730年代末に破壊されたが,この頃までに市はリスバーンに代わってラガン川の主要架橋点に,カリックファーガスに代わってベルファスト湾沿岸の主要港になっており,アルスター地方のリンネル工業の取り引き中心地として,また積出港として繁栄していた。19世紀初め以降発展した蒸気機関による綿織物工業は,アメリカ合衆国の南北戦争により綿花の供給がとだえると衰退したが,織物工業の機械化はリンネル工業にも及び,市は世界有数のリンネル工業中心地となり,たばこ,製材,製粉,機械などの工業も発展し始めた。また 18世紀末に大規模な造船所が建設されてから近代的な造船業も始まり,これに伴って港が発展し,19世紀を通じて港湾施設の拡充が進められた。今日では北アイルランドの主要港としてイングランドスコットランドマン島とフェリーで結ばれる。工業では 1937年航空機工場が建設されて以来,航空機製造が重要な部門となり,同工場はイギリス最初のジェットエンジンのみによる垂直離着陸機の開発で知られる。北アイルランドの文教の中心でもあり,クイーンズ大学(1845),アルスター大学(1849)などがある。1920年に公布されたアイルランド統治法の成立後,北アイルランドの首都となったが,その後北アイルランド紛争が起こり,1980年代にかけて激しい市街戦が頻発,広範囲にわたって被害を受けた。武力抗争は 1990年代に入り沈静化し,1998年に包括和平合意「聖金曜日の合意」が調印された。和平合意をうけてベルファストへの投資が促進され,経済が発展した。地区面積 115km2。地区人口 34万8291(2001)。都市人口 26万7742(2008推計)。

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デジタル大辞泉の解説

ベルファスト(Belfast)

英国、北アイルランド東部の港湾・工業都市。同地方の中心地。麻織物・造船・機械などの工業が盛ん。

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百科事典マイペディアの解説

ベルファスト

英国,北アイルランドの主都。アイルランド島北東岸,ノース海峡に臨む港湾都市。ベルファスト湾奥に位置する。亜麻工業,造船業に特色を有する工業都市で,船舶,機械,航空機,繊維,タバコ,製粉などの工業も行われる。
→関連項目イギリス北アイルランド

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世界大百科事典 第2版の解説

ベルファスト【Belfast】

北アイルランドの主都。アイルランド島北東部に位置し,同島第1の工業都市。人口29万7000(1995)。ベルファスト湾に注ぐラガン川の河口にあり,古くはこのあたりの砂州が渡河地点であった。市名も,〈砂州の渡り場〉を意味するアイルランド語に由来する。宗派別人口はカトリック系26%,プロテスタント系51%,その他および無回答24%(1971)で,アイルランド独立に際し,プロテスタント系の多い北アイルランドはイギリス領にとどまり,アイルランド統治法(1920)によってベルファストはその主都となった。

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大辞林 第三版の解説

ベルファスト【Belfast】

イギリス、北アイルランドの中心都市。アイルランド島北東部のノース海峡に面する港湾都市で、亜麻織物業や造船業が発達。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベルファスト
べるふぁすと
Belfast

イギリス、北アイルランドの首都。ベルファスト湾奥に臨む港湾・工業都市。人口27万7391(2001)。地名はラーガン川の「河口渡河地点」を意味するゲール語ベル・ファストBeal Feirsteに由来する。アルスター(アイルランド島北部地方)を征服したノルマン人が1177年に城を築造。アーサー・チチェスター男爵が1611年に新たに城を建て都市計画を実施して以来、市勢が急激に発展した。13年には勅許都市となり、85年には人口2000人を有するアルスター第一の都市に成長した。17世紀の後半、イギリスのウィリアム3世の庇護(ひご)のもとに流入したフランスの新教徒(ユグノー)によって、アルスターの伝統産業リンネル(亜麻(あま))工業発展の基礎が築かれた。17世紀のイギリス人、スコットランド人の「アルスター植民」、産業革命期の機械制大工場制による繊維産業、造船工業の発展に伴い、市勢は著しく増大、1830年に人口5万、50年には10万を数えるに至った。
 現在では、リンネル、造船、たばこ、食品、ウイスキー蒸留などの諸工業のほか、石油化学・機械工業がカストラリー地区、造船がラーガン湾に面する臨海工業地帯に集積している。北アイルランド総人口の16.5%を占める人口集中地区であると同時に、全就業者の約60%を吸収する。これは、産業の貿易依存度がきわめて高く、全貿易量の約60%がベルファスト港を通じて行われるためである。最近は、輸入依存度の高い原材料の輸送コストを節減するため、単位重量当りの販売価格比が高いタービン、コンピュータ、プラスチック、タイヤ、電子機器などの製品の生産へ特化していく傾向がある。このような産業構造と立地動向をいっそう促進した要因は、北アイルランド全体で8.9%(1998)にも上る失業者と、低賃金労働力の解消を目的とした自治政府の多国籍企業の誘致政策であった。
 宗教人口の構成をみると、イギリス系住民の多くが長老派を中心とするプロテスタント教徒であり、所得水準、社会的威信ともに高い。これに対して、ローマ・カトリック教徒のアイルランド系住民が拮抗(きっこう)しているため、根深い社会不安を引き起こしている。それがイギリスの長期にわたる植民地支配に基づいているだけに、両派間の社会経済的格差が宗教上の宿命的対立という次元にまで投影、拡大されている。
 ベルファスト城、博物館、政府庁舎、1845年創立のクイーンズ大学など、歴史的旧跡が多い。市の北西21キロメートルのオールダーグローブに国際空港がある。[米田 巌]

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