ホオノキ(英語表記)Japanese white bark magnolia
Japanese umbrella tree
Magnolia hypoleuca Sieb.et Zucc.

改訂新版 世界大百科事典 「ホオノキ」の意味・わかりやすい解説

ホオノキ (朴の木)
Japanese white bark magnolia
Japanese umbrella tree
Magnolia hypoleuca Sieb.et Zucc.

山野に普通なモクレン科の落葉高木。枝先に大きな葉が輪生状について傘のようで,その先に白い大きな花をつけ,強い芳香を放つ。高さ30m,胸高直径1.2mもの大木になる。枝はまばらにつき,その間を長さ80cmにもなる倒卵形の大きな葉がうめる。主として河川沿いの土壌の深い平坦地に見られる。日本固有で南千島,北海道,本州,四国,九州に分布する。材は軟質で均一なため細工がしやすく,家具調度品によく用いられ,また朴歯の下駄は有名。木炭も上質で金銀研磨に使う。葉の芳香と大きいことを利用して,飯を盛ったり,有名な朴湯・朴葉味噌が作られ,地方によってはかしわもちとは朴葉餅を指す。近縁の中国産の厚朴(こうぼく)M.officinalis樹皮は健胃剤等の漢方薬として有名だが,その代用に使われることもある。公園樹としても利用する。
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百科事典マイペディア 「ホオノキ」の意味・わかりやすい解説

ホオノキ

モクレン科の落葉高木。北海道〜九州の山地にはえる。冬芽は筆の穂の形に似て大型。葉は枝先に集まり,倒卵状長楕円形で長さ20〜40cm,やや厚く裏面は白い。5〜6月,枝端にかおりのよい径約15cmの花を開く。花弁は9枚内外で淡いクリーム色。おしべは多数で花糸は赤く葯は黄白色,めしべも多数。果実は長楕円体で10〜11月,紅紫色に熟し,内から赤い種子を出す。材を器具,下駄の歯などとし,樹を庭園樹とする。大きくてかおりのよい葉は朴葉味噌に使われ,古くは食物を盛るのに利用された。

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リフォーム用語集 「ホオノキ」の解説

ホオノキ

モクレン科ホオノキ属の落葉広葉樹漢字では朴柏。英名はmagnolia。ホオ、ホオガシワともいう。材質は緻密で均質。軽軟材で、切削などの工作は容易に出来る。狂いは少なく、材の保存性は低い。 漆器素地、版木、製図板、定木材、などが良く知られる。その他、器具材、建築用の装飾材、箱材、家具材などでも使用される。。

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