ポタージュ(読み)ぽたーじゅ(その他表記)potage フランス語

デジタル大辞泉 「ポタージュ」の意味・読み・例文・類語

ポタージュ(〈フランス〉potage)

スープ。特に、とろみをつけた濃い不透明のスープ。→コンソメ
[類語]スープコンソメ

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精選版 日本国語大辞典 「ポタージュ」の意味・読み・例文・類語

ポタージュ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] potage ) とろみのある不透明なスープ。
    1. [初出の実例]「ボーイ等が手器用に運んで来たポターヂュを啜りながら」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポタージュ」の意味・わかりやすい解説

ポタージュ
ぽたーじゅ
potage フランス語

フランス語ではスープを意味する。日本では濃度のあるスープをさしていう。食事の初めにとる流動食で、まろやかな風味で胃に快い刺激を与え、胃液の分泌を促し食欲をおこさせる。だし汁(ブイヨン)に主材料となる肉、魚、野菜などを入れて煮上げる。漉(こ)して調味した状態や濃度によって、(1)澄んだポタージュpotage clair(コンソメ、ブロース、ポトフなど)、(2)濃いポタージュpotage lié(ビスクスープ、クリームスープ、ブルテスープなど)、(3)特殊なポタージュpotage spécial(オニオングラタン〈フランス〉、チャウダー〈アメリカ〉、ボルシチ〈ロシア〉、ミネストローネ〈イタリア〉など)に分けられる。ポタージュの材料は、臭みや脂肪の少ない魚肉類、貝・甲殻類、根菜、豆、いも、クリ、カボチャなどあらゆる野菜類を単独に、または組み合わせて用いる。ポタージュの濃度は、デンプン、小麦粉、バター、卵黄、クリームの量による。ポタージュに入れるクルトンなどの浮き身は、舌ざわりに変化を与え、味を引き立たせる効果がある。

[小林文子]

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百科事典マイペディア 「ポタージュ」の意味・わかりやすい解説

ポタージュ

広義にはフランス料理のスープの総称であるが,一般には澄んだスープのコンソメに対して,濃度のある濁りスープをさす。ジャガイモトウモロコシグリーンピースなどを裏ごししてだし汁(ブイヨン)でのばしたピュレースープの類,牛乳ホワイトソース土台としたクリームスープの類,卵黄と生クリームを土台としたブルーテスープなどがある。熱くして供し,クルトン(揚げた食パン)などを少量浮き実とする。
→関連項目スープ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポタージュ」の意味・わかりやすい解説

ポタージュ
potage

スープのこと。元来は鍋物の意で,広義にはスープ全体をさす。しかし一般には,澄んだスープをコンソメ,濁ったスープをポタージュと呼んでいる。濁りスープ (ポタージュ・リエ potage liés) には,ピューレエ・スープ les purées ou bisque,クリーム・スープ les crème,魚や野菜の濁りスープ les velouté,コンソメ・リエ consommé liés,スペシアル・スープ les speciaux,野菜のポタージュ potage légumesなどがある。濁り (とろみ) は,米,小麦粉,じゃがいも,豆などでつける。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ポタージュ」の解説

ポタージュ【potage(フランス)】

(澄んだコンソメに対して)とろみのある不透明なスープ。◇フランス語では、スープの総称。コンソメも含まれる。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポタージュの言及

【スープ】より

…英語のスープの語源となったフランス語スープsoupeは,もともと〈ブイヨンに浸して食べるパン切れ〉のことで,12世紀ころからこの意味で用いられ,14世紀になると〈パン入りのブイヨン〉を意味するようになった。フランス語でスープを意味するポタージュpotageは〈ポpot(なべ)〉から派生したことばで,〈なべの中に入っているもの〉という意味であった。17世紀までは水で煮込んだ料理を指していたが,やがて肉や野菜のうまみが溶け出している煮汁そのものに価値を認めるようになった。…

※「ポタージュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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