ポリウレタン(英語表記)polyurethane

翻訳|polyurethane

デジタル大辞泉 「ポリウレタン」の意味・読み・例文・類語

ポリウレタン(polyurethane)

ウレタン結合-NHCOO-によって重合した高分子化合物総称合成ゴム合成繊維などとして利用。また、発泡させて作るウレタンフォームマットレスなどに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「ポリウレタン」の意味・読み・例文・類語

ポリ‐ウレタン

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Polyurethan ) ウレタン結合(-NH COO-)という構造を繰り返して結合している高分子化合物。耐摩耗性、耐溶剤性、耐薬品性が比較的高く、発泡させてウレタンフォームとし、マットレス、包装用、スポンジ状たわし、断熱材などに用いられる。他にウレタンゴム接着剤、繊維、塗料などきわめて広い用途がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ポリウレタン」の意味・わかりやすい解説

ポリウレタン
polyurethane

分子内にウレタン結合-OCONH-をもつ高分子化合物の総称。ゴム状弾性体として,ウレタンゴム,エラストマーとして用いられるほか,ウレタンフォームや接着剤としても広く用いられている。一般にはジオール(たとえば1,4-ブタンジオール)とジイソシアネート(たとえばジフェニルメタンジイソシアネート)の重付加によって製造される。



 ゴム用途には,ジオールとしてポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコールのようなポリエーテルジオールや,末端ジオールの脂肪族ポリエステルが用いられる。発泡体(フォーム)用途には,トリイソシアネート(たとえばトリフェニルメタントリイソシアネート)を少量加え,熱硬化性とすることが多い。最近RIM(Reaction Injection Molding)という,高速,省エネルギーの成形法が開発され,自動車のバンパー,一般機器のハウジングにも用途が拡大しつつある。
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化学辞典 第2版 「ポリウレタン」の解説

ポリウレタン
ポリウレタン
polyurethane

主鎖ウレタン結合(次の構造式)をもつポリマーこの構造は,カルバミン酸エステル,あるいは炭酸のアミドエステルと考えることができる.もっとも広く使用されているのは,二価または多価のアルコールアミンなどの活性水素をもつ化合物と,二官能または多官能のイソシアナート類との反応で得られるポリマーである.例を次に示す.

一般に,プレポリマーをつくっておいて,これにジオール,アミン,水などを反応させて硬化させる.使用するアルコールおよびイソシアナートの種類によって物性は大きく変わり,ゴム状弾性([別用語参照]ゴム弾性)をもつもの(ウレタンゴム)から結晶性のよい硬化性樹脂(ウレタン樹脂)まで変化させることができる.また,プレポリマーに水を反応させたときに発生する二酸化炭素をうまく利用してフォーム(ポリウレタンフォーム)をつくることもできる.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリウレタン」の意味・わかりやすい解説

ポリウレタン
ぽりうれたん
polyurethane

ウレタン結合-OCONH-をもった重合体(ポリマー)の総称。一般にジイソシアナートとグリコールとから付加重合で得られる。合成ゴム、合成繊維、接着剤、塗料、ウレタンフォーム、自動車バンパーなど、その利用が拡大している。

 工業的に用いられるジイソシアナート類にはのようなものがある。図の(1)と(2)の80対20の混合物がよく用いられている。グリコール成分は種々で、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール、さらに両末端ヒドロキシ基のポリエステルなどが必要に応じて用いられる。

[垣内 弘]


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百科事典マイペディア 「ポリウレタン」の意味・わかりやすい解説

ポリウレタン

分子内にウレタン結合−NHCOO−をもつ高分子化合物の総称。熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂がある。弾性,強靭(きょうじん)性に富み,耐熱性,耐老化性,耐油性,耐溶剤性がすぐれる。ウレタンフォームスパンデックスのほか弾性繊維,塗料,接着剤,合成皮革用原料,自動車部品としても使用。
→関連項目ウレタン合成繊維合成皮革

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリウレタン」の意味・わかりやすい解説

ポリウレタン
polyurethane

主鎖の繰返し単位中にウレタン結合 ( -NHCOO- ) をもつ重合体の総称で,主としてジイソシアネートとグリコールとの重付加により合成される。単量体に種々の構造の化合物が用いられることと,反応中自由に架橋できるために種々の性質の重合体が得られる。軟質および硬質のポリウレタンフォーム (寝具,家具,自動車部品,建築材料など) ,弾性糸,接着剤,塗料,合成皮革など各方面に利用されている。

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栄養・生化学辞典 「ポリウレタン」の解説

ポリウレタン

 主鎖中にウレタン結合 (-NHCOO-)をもつ高分子物質を総称していう.樹脂として特徴のある性質があり広く用いられている.

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世界大百科事典(旧版)内のポリウレタンの言及

【化学繊維】より

…ケミカルレースの基布に水溶性のビニロンが使われる。
[ポリウレタン系]
 ゴムのようによく伸び元に戻る性質をもつ繊維をスパンデックスspandex繊維というが,ほとんどがポリウレタンでできている。ポリウレタンは二つの成分,すなわちゴムのように柔らかい部分であるソフトセグメントと,分子の動きが抑えられている堅い部分のハードセグメントから成る(図2)。…

※「ポリウレタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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