翻訳|missing link
一般には,連続性が期待されている事象に非連続性が観察される場合に,その比較的顕著な間隙をさす。古生物学においては,ある種から別の種に進化する過程で発見されていない中間種を示す用語で,〈失われた(鎖の)環〉ともいわれる。人類の進化においては,ダーウィンC.R.Darwinが1871年に出版した《人間の由来》の中で,〈将来,必ずヒトとサルを結ぶミッシング・リンクが発見されるに違いない〉と述べて注目された。その後,実際にジャワ原人やネアンデルタール人の化石が発見されて,ミッシング・リンクが実在したことが証明された。なお,ヒトとチンパンジーの共通祖先の化石は発見されておらず,共通祖先からホモ・サピエンスまでの中間の化石もわずかしか発見されていないので,実際には全ての鎖の環のうちのごく一部しかつながっていない。
→化石人類
執筆者:馬場 悠男
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