メンデレビウム(読み)めんでれびうむ(その他表記)mendelevium

翻訳|mendelevium

デジタル大辞泉 「メンデレビウム」の意味・読み・例文・類語

メンデレビウム(mendelevium)

アクチノイドに属する超ウラン元素の一。アインスタイニウムαアルファ粒子を衝撃させてつくられた人工放射性元素で、メンデレーエフにちなみ命名された。元素記号Md原子番号101。

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精選版 日本国語大辞典 「メンデレビウム」の意味・読み・例文・類語

メンデレビウム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] mendelevium )[ 異表記 ] メンデレビューム 超ウラン元素一つ。元素記号 Md 原子番号一〇一。人工放射性元素でアクチニウム系列に属する。一九五五年シーボーグらによって発見され、メンデレーエフにちなんで命名された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「メンデレビウム」の意味・わかりやすい解説

メンデレビウム
めんでれびうむ
mendelevium

アクチノイドに属する超ウラン元素の一つ。原子番号101、元素記号Md。101番の元素となるところから、周期律周期表の提出者であるロシアのメンデレーエフを記念して命名された。

 1955年アメリカのシーボーグらのカリフォルニア大学グループが、アインスタイニウム253を加速ヘリウムイオンで衝撃してメンデレビウム256を得た。現在でも元素の性質などはほとんど調べられていないが、水溶液中ではアクチノイドに典型的な酸化数+Ⅲのイオンとして挙動する。

[岩本振武]



メンデレビウム(データノート)
めんでれびうむでーたのーと

メンデレビウム
 元素記号 Md
 原子番号 101
 原子量  (258)※
 融点   ―
 沸点   ―
※括弧内の数値は原子量ではなく、同位体質量数の一例

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改訂新版 世界大百科事典 「メンデレビウム」の意味・わかりやすい解説

メンデレビウム
mendelevium

周期表第ⅢA族に属するアクチノイドの一つ。1955年2月アメリカのカリフォルニア大学において,ギオーソA.Ghiorso,ハーベーB.G.Harvey,チャピンG.R.Choppin,トムソンS.G.Thompson,シーボーグG.T.Seaborgが,プルトニウムに中性子照射を行って生成した微量253Esに,サイクロトロンで加速した41MeVのα粒子を衝撃して核反応を起こさせ,その生成物から101番元素の存在を確認した。このとき存在した元素の原子数は5個であったといわれる。このときの核反応は,であると考えられる。D.I.メンデレーエフの周期表が多くのアクチノイドの発見に大きな役割を果たしたことから,彼の名にちなんで命名された。メンデレビウムは人工的にごく少量しかつくられていないので,化合物も多く知られていない。3価の酸化状態が普通で,典型的なアクチノイド化合物をつくる。
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化学辞典 第2版 「メンデレビウム」の解説

メンデレビウム
メンデレビウム
mendelevium

Md.原子番号101の元素.電子配置[Rn]5f 137s2の9番目に合成された周期表3族アクチノイド元素.周期律のD.I. Mendeleev(メンデレーエフ)にちなんで命名された.1955年,カリフォルニア大学(バークレー校)のG.T. Seaborg(シーボーグ),A. Ghiorsoらにより,253Es の60 inサイクロトロンによるα粒子衝撃で半減期77 min の質量数256の核種がつくられた.その後,わずか17原子のイオン交換-溶出クロマトグラフィーにより,ツリウムに性質が似ていることが確認された.第一イオン化エネルギー650 kJ mol-1(6.74 eV).酸化数1~3.現在,知られている同位体核種は,245~262の範囲に18種.質量数258のα崩壊核種がもっとも長寿命で半減期51.5 d.[CAS 7440-11-1]

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百科事典マイペディア 「メンデレビウム」の意味・わかりやすい解説

メンデレビウム

元素記号はMd。原子番号101。超ウラン元素の一つ。1955年バークリーにあるカリフォルニア大学の放射線研究所でシーボーグらが253Esにα粒子を衝撃して初めて質量数256の同位体をつくった。半減期1.5時間で,軌道電子捕獲によって崩壊し256Fmとなる。名はメンデレーエフにちなむ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メンデレビウム」の意味・わかりやすい解説

メンデレビウム
mendelevium

元素記号 Md ,原子番号 101。周期表3族のアクチノイド元素で,超ウラン元素の1つ。 1955年 A.ギオルソ,B.ハーベイ,G.ショパン,S.トンプソンおよび G.シーボーグによって発見された。アインスタイニウム 253をヘリウムイオンで衝撃することにより,メンデレビウムの放射性同位体 255および 256の生成が確認された。その核的性質,放射能のほか,イオン交換樹脂からの溶出順序が原子番号に対応することに基づいて確認されたことは有名である。ロシアの化学者 D.メンデレーエフにちなんでメンデレビウムと命名された。

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