モアレ(その他表記)moiré[フランス]

デジタル大辞泉 「モアレ」の意味・読み・例文・類語

モアレ(〈フランス〉moiré)

《「モワレ」とも》
木目波紋模様を表した張りのある織物。また、その加工タフタアセテートなどに施し、リボン服地などに使われる。
幾何学的に規則正しく分布する点または線を重ね合わせると、その間隔疎密によってできる斑紋網版多色印刷走査線が周期的に並ぶテレビ画面画素が規則正しく配列されたデジタルカメラの撮影画像などに生じやすい。

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精選版 日本国語大辞典 「モアレ」の意味・読み・例文・類語

モアレ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] moiré )[ 異表記 ] モワレ
  2. 光沢の強弱により波形の木目模様をあらわした織物。特に木目を織り出したタフタのこと。腰が強く、正装用の婦人服、リボンなどにする。
    1. [初出の実例]「タフタやモアレエ〈略〉をふくむ各種の絹織物」(出典:ジォコンダの微笑(1942)〈羽仁五郎〉)
  3. 規則正しく配列された細かい点または線を重ね合わせたときにできる新たな斑紋をいう。網点を重ねる多色印刷などで現われる現象。〔実用印刷技術(1957)〕

も あれ

  1. ( 係助詞「も」に動詞「あり」の命令形の付いたもの ) 仮定的放任の意を表わす。中世は多く「でもあれ」の形をとる。また、これの変化した形に「まれ」がある。…(で)あろうとも。でもあれ。
    1. [初出の実例]「若しは持戒にモあれ、若しは破戒にモあれ、〈略〉害を加ふる有らむ者をば当に死罪を以て刑罰せむ」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)四)

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改訂新版 世界大百科事典 「モアレ」の意味・わかりやすい解説

モアレ
moiré[フランス]

波紋形の意で,織物の表面に不規則に木目(もくめ)模様をあらわしたもの。琥珀(こはく)地やタフタ,ファイユのような細い横畝(よこうね)のある生地の表面をつぶして凹凸を作り,見る角度によって木目状の模様を生じさせる。2枚の織物を重ね,直角でなく少しずらせて熱ローラーの間を通して圧力をかけると,すだれの重なりにあらわれるような木目が凹凸によってあらわれる。またローラーの表面に加工する織物の緯密度に近い細い線を彫るとか,ローラーに木目模様を彫刻して,その間を熱圧しながら通すことによって生地の表面に同様の模様を表現する方法がある。天然繊維の織物は洗濯や使用中に消えやすいが,合成繊維のように熱可塑性のものはセットが効いて永続的な効果がある。婦人服,ガウンやリボンなど,また装飾織物に利用することが多い。
執筆者:

2枚の回折格子を互いにわずかだけ傾けて重ねると,格子の刻線とほぼ直角に縞が見られ,格子の一方を刻線に垂直の方向に移動させると,この縞は移動方向に垂直の方向に移動する。縞のピッチは格子のピッチに比べてはるかに大きく,かつ格子の1ピッチ分の変位に対して縞は1ピッチ変位するので,変位が拡大されることになり,長さや角度の精密測定に利用される。また,もっと粗いピッチの格子を通して斜めに物体を照射し,これを異なる方向から同じ格子を通してみるときにあらわれるモアレ縞のパターンから,物体の三次元的形状を測定することができる。同様の手法を使って結晶格子のひずみが観察される。
執筆者:


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モアレ」の意味・わかりやすい解説

モアレ
もあれ
moiré フランス語

目の粗い二枚の織物を重ね透かして見ると、重なり方によっては、波形模様(木目(もくめ)模様)が見られる。これは二枚の織り目の糸密度から生ずる、光の干渉によって生まれるもので、カーテンなどでよく見受ける。このモアレ模様を織物加工に施したものがあり、〔1〕横畝(よこあぜ)織物二枚を重ね合わせ、熱圧縮ローラー間を通して型付けする方法と、〔2〕木目を彫った熱圧縮ローラーで押型加工してつくられるものがある。

[並木 覚]

印刷

平行細線のような規則正しく分布した点や線を重ね合わせると、重ね合わせる角度によりさまざまな斑紋(はんもん)ができる。多色網版の印刷のとき、各版のスクリーン角度を誤るとモアレを生じて不体裁になる。

[平石文雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モアレ」の意味・わかりやすい解説

モアレ
moiré(moire)

木目 (波形) 模様を織り出した,厚地絹織物。横うねのある織物の表同士を重ね合せて,カレンダの間を通し,押しつぶすと不規則な木目模様ができる。またエンボシングカレンダを使って,木目模様を彫刻したロールの間で押しつぶすと,規則的な模様を出すことができ,長く消えない。無地に染色して,カクテルドレス,イブニングドレス,裏地,リボン,帽子などに使用。

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カメラマン写真用語辞典 「モアレ」の解説

モアレ

moire(=波紋)。画像を形成しているドット(あるいは ピクセル )が互いに干渉しあって発生する周期的なパターン模様。オフセット印刷物でも網点が干渉してモアレが起こることもある。細かな格子模様の被写体を撮影したときに見られることがある。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「モアレ」の解説

モアレ

規則的な模様を重ねたときに生じる模様。干渉縞とも呼ばれる。多色刷りの印刷物で、網点が重なる部分に生じることがある。また、画面をデータ化したり、網点のある印刷物をスキャニングしたりすると生じる場合もある。

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