百科事典マイペディア
「ユニオン・ショップ」の意味・わかりやすい解説
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
知恵蔵
「ユニオン・ショップ」の解説
ユニオン・ショップ
企業採用時には組合員でなくとも雇用され、一定期間を過ぎた後には組合に加入する義務を課し、加入しない者は使用者から解雇される制度。未組織労働者が安い賃金で働くことを防止する、組織強制の1つである。日本の企業別組合は、ほとんどこの条項を採用している。しかし、日本のユニオン・ショップ条項では、組合を脱退したり、組合から除名された場合に、使用者はその労働者を解雇しなくともよいという抜け道を設けていることが多く、尻抜けユニオンと呼ばれる。組織強制の主なものとして、他には次のものがある。クローズド・ショップ(closed shop)は組合員であることを当初から雇い入れの条件とする。他方、オープン・ショップ(open shop)は職場に組合が存在しない状態あるいは組合が存在しても、組合員であることが雇い入れあるいは雇用継続の条件ではない。ユニオン・ショップ協定については、憲法13条に由来する個人の自由や自己決定の養成、憲法27条が保障する労働権の侵害にあたるとして適法でないとの議論もある。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
ユニオン・ショップ
union shop
従業員採用の際には,労働組合員であるなしは問わないが,採用後は当該組合に加入を義務づけ,組合員資格を失った場合は解雇するという協定。労働組合法では労働組合が特定の工場事業場で従業員の過半数を代表する場合,この協定を結ぶことが認められている。採用後の扱いはクローズド・ショップと同様で,組合の団結,支配力の確保をはかるものだが,実際には組合除名者の解雇については,労使協議や使用者の判断にゆだねるなど「尻抜けユニオン」と呼ばれるケースもみられる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報