ユビナガコウモリ(英語表記)Miniopterus schreibersi; bentwinged bat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ユビナガコウモリ
Miniopterus schreibersi; bentwinged bat

翼手目ヒナコウモリ科。体長5~7cm,前腕長4~5cm。第3指の第2指骨が著しく長いのでその名がある。耳は丸く,皮膜は細長い。体の色は暗褐色高空を高速で飛ぶ。普通,洞窟の天井などに後肢でぶらさがり,休止するときは皮膜を内側に折り曲げる。海食洞鍾乳洞などに 500~1000頭,ときには1万頭ほどの大群ですむ。本州,四国,九州,南西諸島,中国,朝鮮半島,ヨーロッパ南部,小アジアオーストラリアニューギニアなどに広く分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ユビナガコウモリ
ゆびながこうもり / 指長蝙蝠
bent-winged bat
[学]Miniopterus schreibersi

哺乳(ほにゅう)綱翼手目ヒナコウモリ科の動物。虫食性の種で、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアに分布し、日本では北海道と伊豆七島を除き、本州、四国、九州およびその属島の海食洞、洞窟(どうくつ)に生息する。前肢の第3指(中指)の第2指骨が著しく長いので、この名がある。前腕長46ミリメートル前後、頭胴長65ミリメートル前後、尾は体とほぼ同長で、頭が小さく耳介も短い。翼は細く、幅が狭い。翼を畳むとき、第3指の第2指骨を前方に折り曲げる。飛翔(ひしょう)力が強く、アマツバメのように高速で高空を飛ぶ。数千頭、ときに1万頭に及ぶ大群をつくる。繁殖期は冬眠に入る前の秋で、交尾に続いて、排卵、受精がみられる。冬眠中は受精卵の発生が遅く、受精卵はいわゆる「遅延着床」型で、子宮への着床が遅れる。冬眠から覚める春に発生が急速に進む。妊娠期間は約260日、出産期は6月中旬から8月上旬で、1産1子を産む。生まれた子は、新生子だけで集団を形成する。主食はカ、ガ、トビケラなどである。[吉行瑞子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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