ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユリカモメ」の意味・わかりやすい解説
ユリカモメ
Chroicocephalus ridibundus; black-headed gull
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チドリ目カモメ科の鳥。ユーラシア大陸の中緯度地方に広く分布するカモメ。海岸地方や内陸の湖沼畔,川の中州,島などの湿地に,かなりの群れをつくって集団で繁殖する。日本には冬鳥として渡来し,おもに関東地方以西の湾,港,河口など海岸に群れで生息しているが,内陸の湖沼や大きな川の上流で見かけることも少なくない。風が強い日や海上が荒れている日には陸地によく入ってくる。全長約40cm。背と翼の上面は淡い青灰色で,下面は白色,翼の先端に黒色部がある。くちばしと脚は暗赤色。夏羽はのどから上の頭部が濃黒褐色で,頭巾をかぶったような顔になる。冬羽は頭部が白く,眼の後ろに小黒斑がある。餌は小魚類のほか海上に流れている動物質のごみをよく食べている。また海岸近くの水田などで昆虫類をとる。《伊勢物語》の都鳥はミヤコドリではなく,本種を指すといわれる。
執筆者:柳沢 紀夫
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鳥綱チドリ目カモメ科の海鳥。全長約40センチメートルの中形種。ユーラシアの中・高緯度地域に広く分布し、内陸の湖沼地帯や海岸、島で集団営巣する。冬季には、温帯・熱帯地方沿岸に渡り、日本でも本州より南の地方の海岸や内湾・河口、内陸湖沼や河川に数多く渡来。おもに無脊椎(むせきつい)動物を食べるが、そのほかにさまざまなものを餌(えさ)とし、都市では人間の廃棄物も食べる。ほかの鳥を襲って餌を横取りすることもある。この種も行動学研究の対象となり、幾多の優れた成果が得られた。古来、和歌などに詠まれた「みやこどり」はこの鳥であると考証された。
[長谷川博]
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