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ラガシュ ラガシュLagash

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラガシュ
Lagash

チグリス川とユーフラテス川の中間にあったシュメールの古代都市。起源は先史時代ウバイド期までさかのぼり,前 2700~2400年最盛期を迎えた。現イラク南東のテルローにあたる。 1877年以来フランスの H.サルザクらによって発掘が進み,出土した膨大な楔形文字の粘土板,円筒碑文などは経済,宗教文書を多く含み,前3千年紀のシュメール文明を研究するうえで最も貴重な史料とされている。ウルクウンマの諸都市と抗争し,エ=アンナ=トゥム王の対ウンマ戦勝記念を示す『禿鷹の碑』が残っている。ほかに有名な王としては像が出土しているグデア,減税などの社会改革を行なったウル=カ=ギナなどが知られる。のちアッカドのサルゴン王の支配下に入り,都市自体は3世紀まで存続した。

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百科事典マイペディアの解説

ラガシュ

古代シュメールの都市。遺跡はイラク南東部,ティグリス川とユーフラテス川の中間にあり,南北4km,東西3kmの楕円形状になっている。多数のテルがあり,初期王朝時代(前2500年―前2300年)の豊富な資料やグデア時代(前2000年前後)の地下墳墓が発見されている。
→関連項目シュメール

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世界大百科事典 第2版の解説

ラガシュ【Lagash】

メソポタミア最南部,古代シュメール地方の都市。前3千年紀中葉の初期王朝期III期にはギルスGirsu(現遺跡名テルローTelloh),ラガシュ(現名ヒバal‐Hiba),シララSirara(現名スルグルSurghul),グアバGuabba(現名不明)の主要4地区がラガシュ都市国家を構成していた。主王宮はギルスに存在し,ギルス,ラガシュ,シララは運河により連結し,グアバはこれらより数十km離れていたらしい。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラガシュ
らがしゅ
Laga

古代メソポタミア南部、シュメールの一都市。遺跡は沼沢の中に位置し、アル・ヒッバAl Hibbaとよばれる。楔形(くさびがた)文字では「鳥の群がる(町)」と書かれ、ラガシュと読まれた。紀元前2500年ごろウル・ナンシェが王朝(前2500ころ~前2350ころ)を創設し、シュメールの有力都市となったが、隣接都市ウンマとはつねに境界紛争を重ねた。ラガシュはギルスGirsu(現名テッローTelloh)、ニナNina(現名スルグルSurghul)その他の小都市とともに複合都市ラガシュを形成していた。ウル・ナンシェの孫のエアンナトゥムは有名な「禿鷹(はげたか)碑文」のなかで、シュメール・アッカド地方のみならずエラムの諸都市をも征服したと誇っている。しかし、ウルカギナ王のとき(前2350ころ)、ギルスを除くラガシュはウンマのルガルザゲシによって滅ぼされた。約200年後、グデア王によってラガシュは一時再興されるが、ウル第三王朝時代にはしだいに衰退し、カッシート時代以後は記録にその名が現れなくなった。[吉川 守]

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世界大百科事典内のラガシュの言及

【シュメール美術】より

…初期の浮彫は平面的で硬い作風を見せていたが,やがて人物,動物などの肉付きが立体感を持ち,図柄にも多様性が見られるようになっていく。その優れた作品例としてラガシュ出土の〈禿鷹の碑〉がある。表裏両面の図柄はそれぞれ興味深いが,とくに歩兵部隊の配列の表現方法に独特の工夫が見られる。…

【メソポタミア】より

…またウルの〈王墓〉は当時の都市支配者の富を示す。おそらく前26世紀末にラガシュではウルナンシェが現れ,王朝を樹立した。王朝の5支配者に続いて3支配者が多くの政治的碑文を残している。…

※「ラガシュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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