フランスの詩人、政治家。パリ南東の地方都市マコンに王党派貴族の子として生まれる。リヨンの大学で法律学を学ぶ一方、新進のロマン派詩人として有名になった。1820年の『瞑想(めいそう)詩集』Méditations poétiquesに収められた「湖水」は、人々に愛唱された。同年イギリス女性と結婚し、またナポリ駐在の外交官となってイタリアに赴任した。詩作のかたわら、彼の関心は宗教や政治に向かうようになり、確固たる原則に基づく合理的政治を求めて、普通選挙や言論の自由、無償義務教育、国家と教会の分離などを主張した。1833年にはノール県選出の国会議員となり、七月王政下の野党議員として活動した。彼の政治的立場は、社会問題を重視するブルジョア的合理主義であった。
「一八四八年の革命」で、彼は臨時政府の事実上の首班となった。共和制を確立し、テロリズムを排除し、社会的施策を実施することが、彼のねらいであった。赤旗を退けて三色旗を守り、失業者のために「国立工場」を設立し、普通選挙を実施して第二共和政の安定化を図った。しかし、彼の意図に反して、4月の総選挙後の政局は急速に右傾化し、ラマルチーヌの改革はすべて葬られ、ルイ・ナポレオンが台頭することとなって引退を余儀なくされ、文筆生活に復帰した。
[河野健二]
『河野健二著『現代史の幕あけ』(岩波新書)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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