ランドセル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ランドセル

オランダ語の ransel (背嚢) が転訛した言葉。小学生学用品を入れ,通学用に背負うかばんのこと。明治の中期,大正天皇の学習院入学にあたって,伊藤博文が献上したものに始るといわれる。その後,学習院で全生徒用に採用し,さらに一般に普及した。材料としては皮革,ビニル,布などが用いられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ランドセル

小学校児童の通学用背負いかばん。〈ランドセル〉はオランダ語ransel(背のう)の転化した語で,幕末の洋式軍制導入の際,背のうの呼称として用いられた。1885年5月学習院が生徒の馬車や人力車の利用を禁じて徒歩通学を命じた際に,学用品や弁当を持ち運ぶために着用させたのが,学校におけるランドセル使用の最初である。当初は軍用と同じく布製であった。革製箱型のランドセルは,一説によれば1887年皇太子(大正天皇)の学習院入学にあたって伊藤博文が特別に調製して献上したのに始まるといわれるが,90年8月改定の学習院学生心得には背のうを黒革にすることが規定されていた。

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大辞林 第三版の解説

ランドセル

オランダ ransel「背囊はいのう」の訛なまり〕
小学生が学用品を入れて背中に背負うかばん。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ランドセル
らんどせる

小学生児童が使う通学用かばんのこと。オランダ語のランセルranselがなまったもので、「背嚢(はいのう)」ともよばれる。その起源については、明治時代の陸軍大将乃木希典(のぎまれすけ)が発案したとか、大正天皇が学習院に入学する際、伊藤博文(ひろぶみ)が献上したなど諸説がある。日本では最初陸軍で使用されたが、1897年(明治30)ごろに現在使われているような形になり、当初上流の子弟が使っていたものがしだいに全国に普及して、いまでは入学用品の代表的なものとなっている。
 外国では14か国が決まった形の通学用かばんを使用しているが、日本と同じような背負い式は韓国、イギリス、ノルウェー、手提げ式はロシア、インド、ブラジル、アルゼンチン、兼用はフランス、ドイツ、イタリア、ショルダー式は中国、シンガポールなどで使われている。
 材質には天然皮革、合成皮革(織布または編布を起毛した基布の上に合成樹脂を塗布したもの)、人工皮革(熱収縮性のある合成繊維の不織布層に膜状に成形した合成樹脂層を貼(は)り合わせたもの)がある。天然皮革はじょうぶで変形しにくく、修理も可能である。また人工皮革も軽くてじょうぶ、雨に強いなど、天然皮革と比べて使用上大差ないため、半々ぐらいに使われている。合成皮革は軽くて雨にも強いが、修理がややむずかしい。
 標準サイズとしては、幅23センチメートル、高さ27センチメートル、重さ0.8~1.2キログラムぐらいで、厚みは中の襠(まち)などにより異なる。選ぶときには、かならず子供に背負わせて体にぴったりしたものであること、また縫製や表示などをよく確認して購入することがたいせつである。[阿部絢子]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ランドセル

〘名〙 (ransel から)
① 軍人が物品を入れて背負う方形のかばん。背嚢(はいのう)。ランド。
※此花新書‐二号(1868)「官軍勢の打出す玉、ランドセルヘフッツと当れば」
② 小学生が学用品を入れて背負う、皮などで方形につくったかばん。
※当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉一「英麿は外套の頭巾を被り、革袋(ランド、セル)を後に背負って」
[語誌](1)オランダ語の ransel (「ランセル」または「ランゼル」)の転訛といわれる。嘉永三年(一八五〇)に高野長英が「衣服及び諸物を貯ふる」ものとして「担(ラントスル)」を紹介している。
(2)②は、①の背嚢がもとで、明治一八年(一八八五)に学習院で生徒に使用させたのが最初という。

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