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リアリズム リアリズムrealism

翻訳|realism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リアリズム
realism

写実主義,現実主義。哲学では実在論と訳される。一般的には,客観的事物をあるがままに,正確に再現しようとする態度。概念として,抽象芸術古典主義ロマン主義と対立する。美術,文学上,この語が用いられるようになったのは,A.コント実証主義の影響のもとに,理想主義啓蒙思想と夢幻的ロマン主義への反動として,19世紀中葉に発達した芸術運動による。(→リアリズム〈美術〉,リアリズム〈文学〉)

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知恵蔵の解説

リアリズム

リアリスティック(realistic)なフィクション(fiction)という用語法自体が形容矛盾ではあるが、リアリズムはすべての文学に多かれ少なかれ内在する。リアリズムは普遍的な様式概念としてではなく、より具体的に、19世紀小説の時代様式として考えた方がわかりやすい。19世紀リアリズム小説は、ロマン主義の過剰への反動として成立し、様々な階層の日常的なキャラクターを登場させ、その日々の暮らしを通じて特定の時代、特定の社会を活写した。虚飾を排した平明な文体で、出来事や人物のみならず、話の展開に直接の関係を持たない些事や日常生活の細部を事細かに描出していった。19世紀リアリズム小説の代表的作品には、フランスのギュスターヴ・フロベール『ボヴァリー夫人』(1857年)、ロシアのイワン・ツルゲーネフ『猟人日記』(1852年)などがある。19世紀リアリズムの一流派であり、その方法をより客観主義的、科学的方向に純化したものとして、自然主義がある。自然主義文学は、人間は社会的、歴史的存在であると同時に、生物学的、生理学的原理によって抗しがたく導かれるもの、との基本的立場から、想像力の働きを抑制し、観察の結果を重視した、科学主義的、実験的手法でそんな人間の生態を精密に描き出そうと試みた。自然主義文学の代表作、フランスのエミール・ゾラの『ルーゴン=マッカール叢書』(1869〜93年)に見て取れるように、そこにはそれまでの文学にはない同時代性と社会批判の要素があった。明治後期の日本に導入された自然主義は、私小説という変種を生んだ。私小説は「私」を描き尽くすのではなく、むしろ半透明化された「私」を通して、そこに映じた人間関係や外界を写しとろうとした。それは必然的に、心境小説と化していく。私小説的伝統の残滓を通して、自然主義は今日に至るまで日本文学の現場に、その影をとどめている。

(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)

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百科事典マイペディアの解説

リアリズム

写実主義

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大辞林 第三版の解説

リアリズム【realism】

現実主義 」に同じ。
写実主義 」に同じ。
〘哲〙
実在論 」に同じ。
実念論 」に同じ。 〔フランス語ではレアリスム〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リアリズム
りありずむ

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世界大百科事典内のリアリズムの言及

【アメリカ文学】より

…もう一人は生前まったく世に隠れて,きわめて私的な自己の世界を磨き,宝玉のような短詩に表現していったエミリー・ディッキンソンである。
[リアリズムの時代]
 南北戦争(1861‐65)から戦後の〈めっき時代〉にかけてアメリカ社会の広範さ,多様さが強く意識され,また人間性の概念が変化した。小説作品が伝記,歴史,哲学上の著作に劣らぬ重要性をもつことを作者が主張するようにもなった。…

【写実主義】より

…リアリズムrealism(英語),レアリスムréalisme(フランス語)などの訳語として成立し,おもに文学・美術などの分野で使われる用語。リアリズム,レアリスムなどの西欧語は,使用分野や意味に応じてそれぞれに訳し分けられて日本に導入された。…

【日本美術】より

…唐は藤原貴族にとって観念化された理想の世界であり,そうした異国へのあこがれを秘めながら,逆説的なかたちで国風美術は形成され爛熟した。平安時代美術
[リアリズムと宋代美術の影響――藤原末・鎌倉の美術]
 院政時代の美術は,前述のような洗練された耽美主義的傾向を示す一方で,いきいきとした現実感の描出を求めている。《信貴山縁起》《伴大納言絵詞》や《鳥獣戯画》などいわゆる男絵系絵巻の変化と流動感に満ちた描写,《地獄草紙》や《餓鬼草紙》《病草紙》など六道絵にみる醜悪な光景の大胆なとりあげ,これらに共通するのは,現実社会への,あるいは人間性への強い関心である。…

※「リアリズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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