リチャーズ(Ivor Armstrong Richards)(読み)りちゃーず(英語表記)Ivor Armstrong Richards

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リチャーズ(Ivor Armstrong Richards)
りちゃーず
Ivor Armstrong Richards
(1893―1979)

イギリスの批評家。チェシャー県に生まれる。ケンブリッジ大学に学び、母校教壇で講じたのち、1943年からハーバード大学教授(1963年以後名誉教授)。心理学を基礎にした『文芸批評原理』(1924)や『実践批評』(1929)によって現代批評を先導し、ことにニュー・クリティシズム新批評)に多大の影響を与えた。心理学者オグデンCharles Kay Ogden(1889―1957)との共著意味の意味』(1923)も貴重な業績であるが、のちオグデンの主唱するベーシック・イングリッシュBasic Englishにも関心が向かう。著書はほかに『科学と詩』(1925)、『修辞学原論』(1937)、『ベーシック・イングリッシュとその活用』(1943)など。詩集もある。

[岡本靖正 2018年8月21日]

『石橋幸太郎訳『意味の意味』(1969/新装版・2008・新泉社)』『岩崎宗治訳『文芸批評の原理』(1970・八潮出版社)』

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