リチャーズ(Theodore William Richards)(読み)りちゃーず(英語表記)Theodore William Richards

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リチャーズ(Theodore William Richards)
りちゃーず
Theodore William Richards
(1868―1928)

アメリカの化学者。画家詩人の両親の下で早くから才能を発揮し、18歳でハーバード大学を卒業、20歳で学位を得た。1901年、33歳で母校の化学教授に就任した。彼の代表的な業績は、原子重量の精密測定で、1860年代にベルギーの化学者スタスによって求められていた実験値を全面的に改正した。またスタスは水素との重量比が整数値からずれる元素を発見していたが、リチャーズウラン鉱に含まれる鉛と普通の鉛との重量の違いを発見(1913)、同年ソディが予測したアイソトープの存在を実証した。これらの業績により1914年ノーベル化学賞を受賞した。

高山 進]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android