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ロイスダール Ruisdael(Ruysdael), Jacob van

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ロイスダール
Ruisdael(Ruysdael), Jacob van

[生]1628/1629. ハールレム
[没]1682.3.14. 〈埋葬〉ハールレム
オランダの画家,版画家。風景画家の家系に生れ,父イザク,叔父 S.ロイスダールに学び,また風景画家 C.ブロームの影響を受けた。 1648年ハールレムの聖ルカ画家組合に登録。 55年頃からアムステルダムに居住し,画家,医師 (医者名簿に記載。職業としたかどうかは不明) として活躍。 50年代から森林,巨樹,廃虚,城,奔流などを配した激情的,英雄的な様式で描き,憂鬱でかつ劇的な風景画を展開した。風景に画家の個人的感情を託した最初の画家といわれる。主要作品『ベントハイム城近くの流れ』 (アムステルダム国立美術館) ,『ハールレム風景』 (同) ,『ユダヤ人墓地』 (1655,ドレスデン国立絵画館) 。

ロイスダール
Ruisdael(Ruysdael),Salomon van

[生]1602頃.ナールデン
[没]1670.11.3/5. 〈埋葬〉ハールレム
オランダの風景画家。 J.ロイスダールの叔父。 J.ホイエンとともにオランダ風景画派の基礎を築いた。初期の作品にみられる灰緑色の色調から,ホイエンの弟子と考えられている。 1628年ハールレムの聖ルカ画家組合に登録。川や運河に面した家や村落を斜めの構図で描いた。後年は色彩も豊かになり,人物や樹木を点景とするいきいきとした風景画を展開。メノナイト教徒で,生涯ハールレムで過した。代表作『渡し舟のある風景』 (1639,ミュンヘンアルテ・ピナコテーク) ,『五月柱のある祭りの風景』 (55,ウィーン美術史美術館) 。

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デジタル大辞泉の解説

ロイスダール(Jacob van Ruisdael)

[1628ころ~1682]オランダの画家。17世紀オランダ風景画の代表者。重厚な描写のうちに不安と憂愁に満ちた詩情を示し、のちのロマン主義絵画に影響を与えた。

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百科事典マイペディアの解説

ロイスダール

17世紀オランダの代表的風景画家。ハールレム生れ。風景画家として有名なロイスダール家の一人で,父のイサークIsaackszに学ぶ。緊密な構成と,光と影の効果を生かした作風で,とくに雲の雄渾(ゆうこん)な表現は風景画史上画期的なものである。
→関連項目コンスタブルファン・ホイエン風景画ホッベマ

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世界大百科事典 第2版の解説

ロイスダール【Ruysdael】

オランダの風景画家。伯父と甥の二人がいる。正しくはライスダールと読む。(1)サロモンSalomon van Ruysdael(1600ころ‐70) ナールデンNaardenに生まれ,1623年の画家組合入会以後没するまでハールレムで活動。エサイアス・ファン・デ・フェルデの影響下から出発し,1620年代末から40年代半ばにかけて低い地平線,低い視点,きわめて限定された色彩,光の効果と雰囲気に対する周到な配慮などを特徴とする〈単色様式〉の風景画を同世代のファン・ホイエンとともに確立した。

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大辞林 第三版の解説

ロイスダール【Jacob van Ruisdael】

1628頃~1682) オランダの画家。沈鬱ちんうつな詩的情趣に富む風景画を描き、近代ロマン主義の自然描写に影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロイスダール
ろいすだーる
Jacob van Ruysdael (Ruijsdael)
(1628/1629―1682)

オランダの画家。ハールレムに生まれ、アムステルダムで没したと推定される。風景画家として有名なロイスダール家の一員で、父イサクIsaack(1599―1677)および叔父サロモンSalomon(1600ころ―70)について絵を学んだ。1648年にハールレムの画家組合に登録され、57年ごろからアムステルダムで活躍した。彼は医者で、ラテン語の教師でもあったようである。作風は50年代のなかば以降に確立されたが、それは自然の皮相な観察を超えて、雲と風と水の劇的なたたずまいの下で繰り広げられる悲壮美を表しており、しばしば枯死した巨木や廃墟(はいきょ)や墓地や山の城塞(じょうさい)などを配した画面が特徴的である。たとえば55年の『ユダヤ人墓地』(ドレスデン国立絵画館)では、荒涼とした渓谷の上を走る雷雲、中世の廃墟と古代の墓地を横切って流れる水が、画面に沈鬱(ちんうつ)な気分を醸し出している。すべて目に触れる地上の事物や人間の営為のむなしさを物語る幻想的なこの種の風景画は、不安と憂愁に満ちた魂から生まれた自然観照に由来しており、近代的なロマンチシズムの自然観を先取りしている。[野村太郎]

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