フランスの劇作家、詩人。本名はシャルル・メサジェCharles Messager。ジャーナリストを父にパリに生まれる。初めジュール・ロマンやジョルジュ・デュアメルらと親交を結んで、集団心理の描出をモットーに掲げたアベイ派、ユナニミスム運動のリーダーの詩人として出発したが、第一次世界大戦後の1920年に『商船テナシチー』が舞台にかけられ、大当りして以来劇作に転向。その後『ミシェル・オークレール』(1923)、『赤貧の人』(1923)、『マダム・ベリアール』(1925)、『サモスの庭師』(1928)、『仲たがい』(1930)などを発表、いよいよ内面派的傾向を強くしたが、ともあれこうして両大戦間、ことに20年代、平凡な庶民の生活を題材に心温まるデリケートなドラマをそこから引き出して大衆的な人気を得た。長編動物寓話(ぐうわ)『ライオンのめがね』(1932)も有名。第二次大戦前に一度来日したことがある。71年6月28日、南フランス、サン・トロペの別荘で死去。
[渡辺 淳]
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…少年小説の古典《二年間の休暇(十五少年漂流記)》(1888)も彼の手になる。 20世紀にはいるとベルギーの詩人M.メーテルリンクが童話劇《青い鳥》(1908)を書き,1932年にはC.ビルドラックが《ライオンの眼鏡》を生んだ。同じころのショボーL.Chauveauは子どもの酷薄さと向きあった作家である。…
…日独伊三国軍事同盟締結と大政翼賛会,大日本産業報国会の結成は,40年のことであったが,このときにはすでに反ファシズムの組織と言論は皆無に近かった。【鈴木 正節】
【国際的な反ファシズム文化運動】
国際的な反ファシズム文化運動の先駆としては,反戦を掲げてロマン・ロランとバルビュスが呼びかけ,ゴーリキー,アインシュタイン,ドライサー,ドス・パソスらが発起人に名を連ねる,1932年8月アムステルダムの国際反戦大会に29ヵ国2200名を集め,翌年パリで第2回大会を開催した〈アムステルダム・プレイエル運動〉,フランスの急進社会党代議士ベルジュリが主唱し,J.R.ブロック,ビルドラックらの協力した33年5月結成の〈反ファシズム共同戦線〉,ジッド,マルローらによる〈革命作家芸術家協会〉の33年における反ファシズム運動などがあげられる。しかし,それが政治的立場を超えた知識人の統一運動として定着するのは,34年の2月6日事件をまたなければならない。…
※「ビルドラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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