ワサビ(山葵)(読み)ワサビ(英語表記)Wasabia japonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワサビ(山葵)」の意味・わかりやすい解説

ワサビ(山葵)
ワサビ
Wasabia japonica

アブラナ科の多年草。日本特産種で,清流の渓谷に生える。根茎は肥大し,表面は緑色であるが中心部は白く,葉のとれた跡がでこぼこについている。葉には長い柄があり,円形で基部は心臓形,細かな鋸歯がある。葉面は深緑色で光沢があり掌状に脈が走る。春,約 30cmの茎頂に4弁の白色花を総状につける。日射を避け,冬暖かく夏涼しく,水量,水温の変らないところに育つので,普通山地斜面流水を引いたワサビ田で栽培するが,乾燥地に馴化した畑ワサビもある。ワサビの辛みは,細胞がこわれると一種の配糖体が酵素で分解し,からし油を生じるためとされる。根茎はすりおろして薬味にするほか,わさび漬など嗜好食品に利用される。

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