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ワルラス ワルラス Walras, Antoine Auguste

7件 の用語解説(ワルラスの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ワルラス
ワルラス
Walras, Antoine Auguste

[生]1801. モンペリエ
[没]1866.4.18. エブルー
フランスの教育者,経済学者。 L.ワルラスの父。エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) を卒業し,中学校教師,大学講師として文学,哲学を講じるかたわら経済学に興味をもち,『富の性質と価値の源泉とについて』 De la nature de la richesse,et de l'origine de la valeur (1831) ,『社会的富の理論,経済学の基本原理の要約』 Théorie de la richesse sociale,ou résumé des principes fondamentaux de l'économie politique (49) などを公刊,希少性や価値の心理的説明を展開し,子のレオンに大きな影響を与えた。

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ワルラス
ワルラス
Walras, (Marie-Esprit-) Léon

[生]1834.12.16. エブルー
[没]1910.1.5. モントルー近郊クララン
フランスの経済学者。ローザンヌ学派の創始者。 A. A.ワルラスの子。パリの鉱山学校中退後,ジャーナリスト,鉄道事務局員,協同組合銀行理事などを経て 1870年ローザンヌ大学経済学講座初代教授に就任し,以降経済学に専心した。

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デジタル大辞泉の解説

ワルラス(Marie Esprit Léon Walras)

[1834~1910]フランスの経済学者。ローザンヌ学派の始祖。限界効用理論を提示し、近代経済学の創始者の一人となった。また、この理論をもとに展開した一般均衡理論の確立により、その後の理論経済学に大きな影響を及ぼした。著「純粋経済学要論」「貨幣理論」など。

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百科事典マイペディアの解説

ワルラス

フランスの経済学者。ローザンヌ大学教授。ローザンヌ学派の祖。主著《純粋経済学要論》(1874年)で限界効用と同じ意味の財の希少性という概念を使って,交換・生産・資本形成・貨幣の4部門にわたり経済の安定・進歩の条件を数学的に明らかにし,一般均衡理論を樹立した。
→関連項目限界革命限界効用学派高田保馬ミクロ経済学安井琢磨レオンチエフ

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世界大百科事典 第2版の解説

ワルラス【Marie Esprit Léon Walras】

1834‐1910
フランスの経済学者。ジェボンズメンガーとならぶ限界革命の主役であり,またローザンヌ学派の始祖。パリの鉱山学校に入ったが,哲学,歴史,文学,芸術批評,小説の創作に熱中した。しかし経済学者であった父オーギュストAntoine Auguste W.の希望もあり,ジャーナリスト,鉄道書記,協同組合管理者などをしながら経済学を研究。1870年にスイスのローザンヌ大学教授となり,92年まで在職。その経済学体系は,交換価値と交換の理論,ないし抽象的に考えられた社会的富の理論である純粋経済学,社会的富の経済的生産の理論ないし分業を基礎とする産業組織の理論である応用経済学,そして所有権の理論であり社会的富の分配の科学である社会経済学からなり,それぞれその著作《純粋経済学要論》(1874‐77),《応用経済学研究》(1898),《社会経済学研究》(1896)に対応する。

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大辞林 第三版の解説

ワルラス【Marie Esprit Léon Walras】

1834~1910) フランスの経済学者。ローザンヌ学派の始祖。限界効用理論を提出してジェボンズ・メンガーとならぶ近代経済学の建設者となる。また、相互依存的経済諸量の全体的均衡関係を連立方程式体系で表すことにより一般均衡理論を開拓。著「純粋経済学要論」「社会経済学研究」「応用経済学研究」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワルラス
わるらす
Marie Esprit Lon Walras
(1834―1910)

フランス人で、スイスのローザンヌ大学の経済学講座の初代教授となり、一般均衡理論の体系を確立し、ローザンヌ学派を創始した経済学者。12月16日北フランスのエブルーに生まれる。父オーギュスト・ワルラスAntoine Auguste Walras(1801―66)も経済学者であり、『富の性質と価値の起源について』De la nature de la richesse et de l'origine de la valeur(1831)、『社会的富の理論について』De la thorie de la richesse sociale(1849)などの著作があり、息子レオンに大きな影響を与えた。レオン・ワルラスは、理工科大学校(エコール・ポリテクニク)の入学試験に失敗し、1854年鉱山学校(エコール・デ・ミーヌ)に入学、専門の勉学をよそにして、文学、歴史などに熱中する数か年を送ったが、58年24歳のとき有名な父との対話により社会科学に専念する決意をした。その後、雑誌記者、会社員、協同組合運動などをしながら研究を進めた。60年には『経済学と正義、プルードンの経済学説の批判的検討と反論』L'conomie politique et la justice : Examen critique et rfutation des doctrines conomiques de M. P.-J. Proudhonを著し、同年ローザンヌで開催された国際租税会議で注目を集めたが、70年にローザンヌ・アカデミー(1891年大学となる)の教授に就任するまでには10余年を要した。
 ローザンヌに移ってからは着実に研究成果をあげた。まず1873年には「交換の数学的理論の原理」を発表して限界効用原理を確立し、ついで二商品交換の理論から多数商品交換の理論へ、またこれら商品が生産されたものであることに着目して、生産要素である土地用役、労働、資本用役の需給量と価格の決定を含む生産理論へ、さらに資本財の生産を扱う資本化の理論へと展開を進め、それらは不朽の名著『純粋経済学要論』lments d'conomie politique pure(1874~77)に結実した。『要論』のあと彼は貨幣理論を追究し、86年には『貨幣理論』Thorie de la monnaieを著したが、92年V・パレートに講座を譲って引退した。しかし、その後も『要論』の改訂を続ける一方、論文集『社会経済学研究』tudes d'conomie sociale(1896)、『応用経済学研究』tudes d'conomie politique applique(1898)を編むという学究生活を送り、1910年1月5日レマン湖畔のクラランで75歳の生涯を終えた。[佐藤豊三郎]
『久武雅夫訳『ワルラス純粋経済学要論』(1983・岩波書店) ▽手塚寿郎訳『純粋経済学要論』全2冊(岩波文庫) ▽『安井琢磨著作集1 ワルラスをめぐって』(1970・創文社) ▽W・ジャッフェ著、安井琢磨・福岡正夫編訳『ワルラス経済学の誕生』(1977・日本経済新聞社) ▽根岸隆著『ワルラス経済学入門』(1985・岩波書店)』

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世界大百科事典内のワルラスの言及

【一般均衡理論】より

…この問題を分析するための自然な方法は,価格機構が最も理想的に機能する完全競争市場の場合を想定してみることである。一般均衡理論の創設者L.ワルラス以下多くの経済学者が設定したのも,まさにその場合である。一般均衡理論は二つの支柱から成り立っている。…

【価値】より

…つまり,諸商品はそれぞれ異なった有用性をもつという意味で異化されているが,消費者に効用もしくは満足をもたらすという点では同化されているのであり,この同化性のうえに交換価値が成り立つとみるのである。効用価値説を採用したのは,H.ゴッセンのような先駆者はいるものの,学説史的な区分としてはW.S.ジェボンズ,L.ワルラスそしてC.メンガーによってはじめられた新古典派経済学である。そして効用価値説は,消費者というまぎれもない個人のもつ主観に価値の源泉を見いだすことを通じて,新古典派に特有の個人主義的な市場観の支柱にもなった。…

【経済学説史】より

…そのような試みにより,転化問題,利潤率の傾向的低下の法則などが批判的に解明されたのである。
【近代経済学】
 近代経済学なる用語は日本における造語であるが,若干の先行者を別にすれば,古典派経済学に対して,《経済学の理論》(1871)の著者W.S.ジェボンズ,《国民経済学原理》(1871)の著者C.メンガー,そして《純粋経済学要論》(1874‐77)の著者L.ワルラスの3人が,新しい経済学を体系的に展開したいわゆる限界革命が,近代経済学の始まりであるといえる。限界革命とよばれるのは,この3人がイギリスのマンチェスター,オーストリアのウィーン,そしてスイスのローザンヌにおいて,独立に,ほぼ同時に,限界効用,さらには限界生産力などの限界概念を駆使した経済理論を樹立したからにほかならない。…

【限界革命】より

…1870年代にW.S.ジェボンズC.メンガーL.ワルラスの3人の経済学者が,ほぼ同時に,かつ独立に限界効用理論を基礎にした経済学の体系を樹立し,古典派経済学に対して近代経済学を創始したことをいう。早坂忠の考証によれば,1930年代にJ.R.ヒックスが,限界効用理論をはじめて使うという一般的な意味で限界革命という表現を使用し,ついでH.ミントが1870年代の経済学の革命を限界革命とよんだという。…

【産業連関表】より

…そのため経済の一隅で生じた変化が経済全体に波及する過程ははなはだ複雑となり,単純な因果分析の手におえない。この相互依存性に注目して経済分析の基本的枠組みを構想したのは,19世紀フランスの経済学者L.ワルラスであった。彼は一国の経済活動を一組の連立方程式として記述し,この方程式体系の数学的構造を分析することによって,経済の本質に迫ろうと試みた。…

【市場均衡】より

…また古典派に欠けていた主体的行動の分析とそれに基づく主観的価値の理論は,1870年代にW.S.ジェボンズやC.メンガーによって開拓された。しかし同じころ,L.ワルラスは,たんに主体的均衡の分析にとどまることなく,それと市場の均衡の概念とを接合し,相互に依存し合う価格と生産量,消費量の決定を合理的かつ子細に説明することに成功した。この一般均衡理論の創設者の貢献は,彼に先だって複占市場の均衡を分析したA.クールノーのそれとともに,均衡分析の歴史の中で不朽の光を放つものである。…

【自由放任主義】より

…つまり,もともとは独占排除のキャンペーンのための標語だったのである。現代の自由競争市場理論の骨格となっている一般均衡理論の始祖であるL.ワルラスはその《応用経済学研究》(1898)において,くり返し古典派経済学的な自由放任論の誤りを指摘し,フランス重農主義以来の自由放任の主張は,市場に参加する諸経済主体が互いに対等に競争できるような環境条件を整備せよ,という意味に解されねばならないことを強調した。ワルラスの解釈はまさにスミスの意味したことと一致している。…

【新古典派経済学】より

…しかし,今日新古典派経済学という言葉はもう少し広義に用いられ,アメリカ,スカンジナビア諸国,イギリス,オランダでは中心的位置を占め,日本,フランス,ドイツ,イタリアにおいても支配的となりつつある正統派経済学の中心的理論体系を指すのが普通である。 今日の新古典派経済学は,学説史的には1870年代にイギリスのW.S.ジェボンズ,オーストリアのC.メンガー,フランスのL.ワルラスによって始められた限界革命と,ローザンヌ大学でワルラスのあとを継いだV.パレートに始まる規範的経済学を基礎としている。このうちとくにJ.A.シュンペーターによって,最も偉大な経済学者として科学史におけるニュートンになぞらえられたのは,一般均衡理論の創始者ワルラスであった。…

【数理経済学】より

…彼は独占,寡占の分析に微分学を適用し,数学の有効性を示した。しかし彼の業績は孤立しており,現代の数理経済学の嚆矢(こうし)としては1870年代L.ワルラス一般均衡理論をあげねばならない。彼は経済活動の基本的特徴を経済諸量の相互依存関係としてとらえ,これを一組の連立方程式で表現する着想を得た。…

【ワルラスの法則】より

…経済全体にn個の財が存在するとして,第i財の価格がpi(i=1,2,……,n),各財の価格がp=(p1,……,pn)であるときの第i財の総需要量をDi(p),総供給量をSi(p)(i=1,2,……,n)と記そう。そのとき任意の価格についてが成立することをワルラスの法則という。L.ワルラスがその一般均衡理論の数式化においてしばしば活用したもので,命名はO.ランゲである。…

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