三元(読み)サンゲン

デジタル大辞泉 「三元」の意味・読み・例文・類語

さん‐げん【三元】

上元(正月15日)・中元(7月15日)・下元(10月15日)。
《年・月・日のはじめの意から》1月1日のこと。元日三始 新年》
天地の初め・中・終わりをいう上元・中元・下元のこと。
天・地・人。三才。
中国代に、進士試験に合格した一・二・三位の三人。また、郷試会試殿試の3試験に首席を占め、解元・会(省)元・状元となった者。

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精選版 日本国語大辞典 「三元」の意味・読み・例文・類語

さん‐げん【三元】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上元(正月一五日)・中元(七月一五日)・下元(一〇月一五日)の総称
    1. [初出の実例]「正月十五日は上元、七月十五日は中元、十月十五日は下元、謂之三元ぞ」(出典四河入海(17C前)三)
    2. [その他の文献]〔盧拱‐中元日観法事詩〕
  3. ( 「元」は始めの意。年と月と日との始めの意 ) 正月元日の称。三始。
    1. [初出の実例]「今者、三元初暦、万物惟新」(出典:続日本紀‐宝亀一一年(780)正月乙酉)
    2. [その他の文献]〔南斉書‐武帝紀〕
  4. 術数家で、六十甲子を九宮に配する時、必ず一八〇年で元に帰るので、その第一甲子の六〇年を上元、次の六〇年を中元、次の六〇年を下元としたときの称。〔庾信‐道士歩虚詞十首・其四〕
  5. 天・地・人の総称。三才(さんさい)。三儀。三極。
    1. [初出の実例]「神道者、天元也、地元也、人元也、故云三元」(出典:唯一神道名法要集(1511頃))
    2. [その他の文献]〔王昌齢‐夏月花萼楼宴応制詩〕
  6. 中国で、郷試・会試・殿試の三試験に首席を占め、解元(かいげん)・会元(省元)・状元(じょうげん)となった者。
    1. [初出の実例]「郷試会試殿試をあはせて三場と云その第一人をあはせて三元と云」(出典:制度通(1724)六)
  7. さんかい(三魁)李東陽‐少保商先生寿七十詩〕

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改訂新版 世界大百科事典 「三元」の意味・わかりやすい解説

三元 (さんげん)
sān yuán

中国,三元は本来,歳・日・時の始め(元は始の意)である正月1日を指したが,六朝末期には道教祭日である上元・中元・下元を意味し,それぞれ正月・7月・10月の15日を指すようになった。天官・地官・水官のいわゆる三官(本来,天曹(てんそう)すなわち天上の役所を意味したが,しだいにいっさいの衆生とすべての諸神を支配する天上最高の神となる)がそれぞれの日,すべての人間の善悪・功過を調査し,それに基づいて応報したという。つまり,三元の教えは道教の応報思想を端的に表すものである。やがて祭日としての三元と天曹神としての三官が混同され,三元そのものが三官を意味し,三官のことを三元大帝とも呼ぶ。後世では,上元は賜福をつかさどる天官の誕生日,中元は赦罪をつかさどる地官の誕生日,下元は解厄(厄は災)をつかさどる水官の誕生日とされた。ちなみに,上元と中元の二つは中国の習俗として栄え続け,なかでも中元は仏教盂蘭盆会(うらぼんえ)と重なり,盛大な法会が営まれた。
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占い用語集 「三元」の解説

三元

暦に用いられる言葉で、上元(じょうげん)・中元(ちゅうげん)・下元(かげん)からなる。年月日時を60ずつ区切り、60年、60ヶ月、60日、60刻で次の元に移行される。

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普及版 字通 「三元」の読み・字形・画数・意味

【三元】さんげん

天地人

字通「三」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の三元の言及

【元素】より

… アリストテレスは,〈すべての物質はただ一つの元質から成り立っているが,実際の物質を取り扱う場合には,実在物質と元質との間に少数の中間的または二次的基本成分を認めるほうが便利である〉と考え,その著《気象学》の中で鉱物や金属の生成について述べる際,この二次的な基本成分として水銀と硫黄とを選んでいる。しかし,この二つだけでは,さらに広く一般の物質まで考察するのは不十分であったため,パラケルススは水銀と硫黄に塩を加えて,三元とした。この三元が広く物質の性質を代表するか否かを検討してみると,次のようになる。…

※「三元」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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