中国,三元は本来,歳・日・時の始め(元は始の意)である正月1日を指したが,六朝末期には道教の祭日である上元・中元・下元を意味し,それぞれ正月・7月・10月の15日を指すようになった。天官・地官・水官のいわゆる三官(本来,天曹(てんそう)すなわち天上の役所を意味したが,しだいにいっさいの衆生とすべての諸神を支配する天上最高の神となる)がそれぞれの日,すべての人間の善悪・功過を調査し,それに基づいて応報したという。つまり,三元の教えは道教の応報思想を端的に表すものである。やがて祭日としての三元と天曹神としての三官が混同され,三元そのものが三官を意味し,三官のことを三元大帝とも呼ぶ。後世では,上元は賜福をつかさどる天官の誕生日,中元は赦罪をつかさどる地官の誕生日,下元は解厄(厄は災)をつかさどる水官の誕生日とされた。ちなみに,上元と中元の二つは中国の習俗として栄え続け,なかでも中元は仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)と重なり,盛大な法会が営まれた。
執筆者:植木 久行
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… アリストテレスは,〈すべての物質はただ一つの元質から成り立っているが,実際の物質を取り扱う場合には,実在物質と元質との間に少数の中間的または二次的基本成分を認めるほうが便利である〉と考え,その著《気象学》の中で鉱物や金属の生成について述べる際,この二次的な基本成分として水銀と硫黄とを選んでいる。しかし,この二つだけでは,さらに広く一般の物質まで考察するのは不十分であったため,パラケルススは水銀と硫黄に塩を加えて,三元とした。この三元が広く物質の性質を代表するか否かを検討してみると,次のようになる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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