三木町(読み)みきまち

日本歴史地名大系 「三木町」の解説

三木町
みきまち

[現在地名]三木市福井ふくい一―三丁目・末広すえひろ一―三丁目・本町ほんまち一―三丁目・上の丸町うえのまるちようきみ峰町みねちよう府内町ふないちよう芝町しばまち大塚おおつか一―二丁目・福井・府内・大塚

加古川の支流美嚢みの川流域の三木盆地に位置し、東は与呂木よろき村、南は宿原しゆくはら村、西は高木たかぎ村、北は平田ひらた村・加佐かさ村。中世には別所氏の拠城三木城の城下町として栄えた。江戸時代には町方町一〇ヵ町と地方町八ヵ町で構成された。山陽道の脇往還有馬ありま街道が東西に通り、その駅所として淡河おうご(現神戸市北区)などへ人馬の継立が行われ、大庄屋が管掌していた(三木郡志)。また北方の小野町や南方の明石町を結ぶ南北路が当町で有馬街道と交差する。かみ町には他国大名による播磨国の飛地領支配のための陣屋が置かれていた。

〔中世〕

徳禅寺領播磨国三庄年貢算用状(徳禅寺文書)によれば、文亀三年(一五〇三)一〇月一日若菜夫催促使に延期を依頼したときに三木福原方へ二〇〇文を、その使者には三木までの路銭五〇文を与えている。また翌四年二月には年始の礼として三木別所殿(則治)へ五〇〇文を贈っている。戦国期には職人(瓦大工)が居住しており、天文一六年(一五四七)六月から天正二年(一五七四)一〇月にかけて書写山円教えんぎよう(現姫路市)の修復に活躍している。同寺大講堂・金剛堂・食堂・常行堂には橘亀千代・同国次・清川弥六・同甚六・六郎左衛門らの名が確認される(天文二四年一〇月吉日大講堂瓦銘など)。天正八年の別所氏滅亡後は羽柴(豊臣)氏の蔵入地となる。

〔江戸時代〕

初め姫路藩領、元和三年(一六一七)明石藩領、同七年幕府領となる。寛永一六年(一六三九)備中成羽藩領、同一九年再び幕府領となり、宝永四年(一七〇七)常陸下館藩(のち上野沼田藩)領、寛保二年(一七四二)上野前橋藩領となる(以上「三木町御領主累代控」三木市有文書)。延享元年(一七四四)大坂城代・出羽山形藩堀田氏領(「天保校訂紀氏雑録」日産厚生会佐倉厚生園蔵)、同三年上野館林藩(のち石見浜田藩)領と変遷し(「館林城地目録」「松平家系略譜」浜田会誌)、天保一三年(一八四二)明石藩領となり幕末に至る(「御年譜」松平家蔵、旧高旧領取調帳)

慶長国絵図に三木町・大塚町・平山ひらやま町・前田まえだ村が記され、ほかに古城がみえる。三木町は地子免許の町として知られる。これは三木城主別所長治を討ち三木町を毛利氏攻めの拠点にしようとした羽柴秀吉が、天正八年避難していた町人の還住を促すため地子諸役免許の制札を掲げたのに始まる(同年正月一七日「羽柴秀吉禁制」三木市有文書)

三木町
みきちよう

面積:七七・〇八平方キロ

木田郡の南部に位置し、北は小野おのヶ原・立石たていし(二七二・五メートル)を隔てて牟礼むれ町、北東は峰堂みねんどう(無念堂山、二一七・七メートル)を隔てて大川郡志度しど町、東は同郡長尾ながお町、南は大相だいそう(八八六メートル)を隔てて徳島県美馬みまわき町と香川郡塩江しおのえ町、西は高松市に接する。町域は北部山地・中央平地・南部山地に分けられる。北部山地は規模は小さく、南の中央平地に向かってなだらかな斜面をなし、集落も多い。昭和五三年(一九七八)に香川医科大学ができたことにより人口は急上昇している。中央平地は県道一〇号や高松琴平電鉄長尾線が東西に走り、町の中心をなしている。南部山地は町域の半分近くを占め、南端近くの谷筋に沿って国道一九三号(塩江街道)が走る。

三木町
みきまち

[現在地名]和歌山市三木町〈台所だいどころ町・なかノ丁・堀詰ほりづめみなみノ丁〉

和歌わか町の北の町人町で、北はほり川の堀詰橋で内町うちまち地区に、東は和歌川の鍛冶かじ橋で新町しんまち地区に通ずる。「続風土記」では桑山氏時代からの町屋とされ、のち西側に武家屋敷が築かれたらしい。北から三木町堀詰・同なかノ町・同みなみノ町の三町に分れ、中ノ町の小名に御台所おだいどころ町があった。元禄一三年(一七〇〇)の和歌山城下町絵図には中之町の南に東西方向の「御台所丁」を記し、西突当りに「御台所人」の屋敷を記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三木町」の意味・わかりやすい解説

三木〔町〕
みき

香川県中部,讃岐山脈北斜面から高松平野南東部にある町。新川の上・中流域で南北に長い町域を占める。 1954年平井町と神山,田中,氷上,下高岡の4村が合体して発足。 1956年井戸村を編入。農業が中心で,米作のほか,野菜を栽培。畜産も行なう。池戸に香川大学農学部,男井間池付近に香川大学医学部がある。中部にある流紋岩の岳山山麓には古墳が多い。町の中央を高松琴平電鉄長尾線と長尾街道が走る。高松市への通勤者が多く,宅地化が著しい。面積 75.78km2。人口 2万6878(2020)。

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