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三池炭田 みいけたんでん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

三池炭田
みいけたんでん

福岡県大牟田市を中心として南北約 30km,東西約 23kmの範囲にある炭田で,主要部分は有明海海底に存在している。南部の大牟田地区(三池地区)は古くから三井鉱山三池鉱業所により採掘されていた。北部の有明地区はかつて日鉄鉱業により調査,開坑されたが,多量の出水のため開発は中止され,その後三井鉱山に引き継がれ,三池鉱業所に合併された。三井石炭鉱業がその経営にあたり,1997年3月30日閉山した。夾炭層(→炭層)は古第三紀に属し厚さ約 700m,地質構造はきわめて安定し,10°内外の緩傾斜で南西ないし西(有明海底方向)に傾斜している。多くの炭層があるが採掘の対象となったのは,三池本層(最大層厚 6m,夾みなし),三池上層(最大層厚 6m,夾み 25cm),三池第2上層(最大層厚 4m)。炭質は瀝青炭,灰分 10~20%,発熱量 5000~8000kcal,原料炭混炭用として適した。

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デジタル大辞泉の解説

みいけ‐たんでん【三池炭田】

福岡県大牟田(おおむた)市から熊本県荒尾市にまたがり、さらに有明海の海底下に広がる炭田。文明年間(1469~1487)から開発され、良質の瀝青(れきせい)炭産出三池藩官営を経て、明治22年(1889)から三井が経営。平成9年(1997)閉山。平成27年(2015)、「明治日本の産業革命遺産 製鉄製鋼造船石炭産業」の名で、三池港とともに世界遺産(文化遺産)に登録された。

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世界大百科事典 第2版の解説

みいけたんでん【三池炭田】

北は福岡県柳川市付近から南は熊本県荒尾市付近までの約30km,東は大牟田市の山麓付近から西は有明海のほぼ西縁付近までの約23kmの間に囲まれる範囲に位置する炭田。東縁,北縁は陸上部であるが,西縁,南縁は有明海底に延び炭田の大部分は海域である。黒崎岬の基盤の隆起部を境にして南を大牟田地区(三池地区),北を有明地区(山門地区)に分けることができる。地質構造はきわめて安定しており,東縁の陸上部での基盤に接する米ノ山断層付近の急傾斜部分を除けば全域5度内外の緩傾斜で,南西ないし西に傾く単斜構造である。

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大辞林 第三版の解説

みいけたんでん【三池炭田】

大牟田市から熊本県荒尾市にまたがり、有明海の海底にひろがる炭田。一五世紀に発見され、明治初期から本格的に採掘が開始された。1997年(平成9)閉鎖。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

三池炭田
みいけたんでん

福岡県南端の大牟田(おおむた)市から熊本県荒尾(あらお)市にまたがり、有明(ありあけ)海の海底下に広がるわが国有数の炭田。炭質は6000~8000カロリーの良質な瀝青(れきせい)炭で、硫黄(いおう)分は多いが、粘結性で原料炭に適する。主要炭層は古第三紀層大牟田層群の稲荷(とうか)層本層、七浦(ななうら)層上層、万田(まんだ)層群勝立(かつだち)層上二層の三層で、傾斜は六度弱、ボタが少ないうえに炭丈も比較的厚い。埋蔵量は16億8000万トンといわれ、三井石炭鉱業三池炭鉱が採鉱、出炭量は年間約500万トンでわが国最大炭鉱であったが、1997年(平成9)に閉山した。1469年(文明1)の発見といわれ、18世紀末より三池藩が開発、1873年(明治6)官営になって洋式採炭を開始、1889年三井に払い下げられて本格的開発が始められた。1908年閘門(こうもん)式の三池港が完成、石炭化学コンビナート形成とあわせて著しい発展を遂げたが、この間1930年(昭和5)まで囚人労働が坑内労働の根幹を担っていた。海底下の坑道延長に伴い、1951年(昭和26)世界初の人工島(初(はつ)島)が入排気のためにつくられ、1970年第2人工島(三池島)がつくられた。エネルギー革命による炭鉱合理化政策により、三池炭鉱は日本一のビルト鉱として機械化、合理化が急速に進行したが、1953年、1959~1960年の反対闘争は歴史に残る大争議となった。出炭能率は著しく上昇したが、1963年の三川(みかわ)坑の大爆発事故、1984年の有明坑火災に代表される炭鉱災害も発生した。閉山後の雇用対策や地域振興が大きな問題となっている。[石黒正紀]

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