日本大百科全書(ニッポニカ) 「上矢作」の意味・わかりやすい解説
上矢作
かみやはぎ
岐阜県南東端、恵那郡(えなぐん)南部にあった旧町名(上矢作町(ちょう))。現在は恵那市の南東部を占める一地区。1956年(昭和31)上(かみ)村と下原田(しもはらだ)村が合併し、町制改称。2004年(平成16)恵那市に合併。「上矢作」という名称は矢作川上流に位置することによる。江戸時代には中馬(ちゅうま)街道でにぎわい、現在は国道257号、418号が通じ、岩村を経由し恵那市中心街と結ばれる。山林の過半を占める公有林も、ヒノキ、スギの育林が進んでおり、財政を支える力となっているのが特色。工業には木材関係の工業と電気機器工業がある。なお、農業ではコンニャクイモが特産。2000年9月、集中豪雨により地区に大きな被害が出た。大船(おおぶね)神社の社殿の彫刻は、宮彫(みやぼり)とよばれるみごとなものであり、参道の松並木などが県の天然記念物となっている。
[上島正徳]