下剤(便秘治療剤)(読み)ゲザイベンピチリョウザイ

  • 下剤
  • 便秘治療剤

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版の解説

下剤(便秘治療剤)とは


 体外に排出すべき便を十分量かつ快適に排出できない状態を便秘といい、おなかが張った感じ、腹痛、腹鳴(ゴロゴロ鳴る)などの不快な症状が現れると、治療が必要になってきます。


 便秘を解消する薬が下剤で、作用の仕方から、刺激性下剤機械的下剤の2種類に大別できます。


刺激性下剤 腸の粘膜を刺激し、腸の運動を活発にさせて排便を促す薬です。大腸刺激性下剤と小腸刺激性下剤とがあります。刺激性下剤の代表が大腸刺激性下剤で、各種の便秘の治療に幅広く使用されています。


 小腸刺激性下剤にはヒマシ油などがありますが、大腸刺激性下剤に比べて副作用が強いため、食中毒や急性腸炎などの治療のため、特別に短期間使用されるだけです。


 一般に、刺激性下剤は効力が強く、効果は高いのですが、使用し続けていると、増量しないと効かなくなり、薬に頼った排便習慣になりやすい(依存性)といわれています。


機械的下剤 腸の内容物(便)に作用して、水分を集めて便を膨らませ、その刺激によって排便を促す薬です。


 機械的下剤は、刺激性下剤に比べて効力はマイルドで、効果が現れるまでの時間はかかりますが、依存性は少ないとされています。


 刺激性下剤と機械的下剤のほかにも、浣腸剤かんちょうざい(グリセリンや石けん液)、自律神経作用性下剤などがあります。自律神経作用性下剤は、副交感神経を刺激して腸の運動を高めることによって排便を促す薬で、パントテン酸製剤〔脂質異常症治療剤〕、メトクロプラミド製剤〔消化管運動調整剤〕、ワゴスチグミン製剤(注射剤)などがあり、頑固がんこな便秘の治療に使用されています。


 現在の下剤は、昔のような激しい作用のある薬はほとんどなく、安全性の高い薬が使用されています。それだけに、安易に下剤が使われがちです。


 しかし、ちょっと便秘がちだからといって安易に下剤を使用していると、やがて下剤を使わなければ排便できないようになってしまいます。だんだんと下剤の使用量を増加しないと排便の効果が現れなくなり、下剤に対する依存性・習慣性ができてしまうのです。


 便秘の治療は、食事・運動・排便習慣といった生活習慣の改善が第一で、下剤の使用はあくまで補助的なものです。


 下剤の使用にあたっては、医師・薬剤師の指示通りの使用量や使用期間を守ることが大切です。


大腸刺激性下剤


機械的下剤


ビサコジル製剤


炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム製剤


ルビプロストン製剤


マクロゴール配合剤


胆汁酸トランスポーター阻害剤

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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