下屋(読み)ゲヤ

デジタル大辞泉 「下屋」の意味・読み・例文・類語

げ‐や【下屋】

母屋もやに差しかけて造った小屋根。また、その下の部分。差しかけ。

しも‐や【下屋】

寝殿造りで、主殿の後ろにある召使いが住む建物。また、雑物を置く建物。しものや。

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精選版 日本国語大辞典 「下屋」の意味・読み・例文・類語

した‐や【下屋・下家】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 縁側の下。また、床下(ゆかした)縁の下
    1. [初出の実例]「うちかけの裾に隠し入はふはふ中戸の、沓脱ぎより忍ばせて、縁の下やにそっといれ、あがり口に腰うちかけ」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
  3. 床下に作った部屋川岸や崖状をしているところなどに崖造りにした家の床下の部屋。また、二階屋の階下の部屋をいう。
    1. [初出の実例]「一間の畳引上げて、板敷たたけは内よりもしらせに連れて立出るは〈略〉人目を憚る下(しタ)家住居」(出典浄瑠璃・歌枕棣棠花合戦(1746)三)
    2. 「穴ぐらの様に下たにある座敷を下た家(ヤ)といひやす」(出典:洒落本古契三娼(1787))

しも‐や【下屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 女房、童などの召使いがいる建物。寝殿造りの主な建物のうしろに位置する。また、雑物を置く建物をもいう。しものや。
    1. [初出の実例]「娘はただ乳母(めのと)の使ひける従者(ずさ)の、しもやに曹司(ざうし)してありけるをぞ呼び使ひける」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. 便所
    1. [初出の実例]「厠(シモヤ)」(出典:一茶方言雑集(1819‐27頃))

げ‐や【下屋】

  1. 〘 名詞 〙屋根からつづけて、あるいは一段下げて、さしかけるように、ふき下ろした屋根。またはその下の空間。げやつくり。
    1. [初出の実例]「下屋(ゲヤ)に駈入り、羽織片手にあたふた」(出典:浄瑠璃・壇浦兜軍記(1732)三)

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リフォーム用語集 「下屋」の解説

下屋

主屋の屋根より一段下げた位置に取り付けられた片流れの屋根、またはその下にある空間。建物外周部に面した縁側・物入・押入・トイレなどが下屋として構成されることが多い。

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