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下襲 したがさね

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

下襲
したがさね

束帯の服具の一つ。半臂 (はんぴ) の下に着る垂領 (たりくび) の内着。うしろ身頃の (きょ) が前身頃より長いのが特色。裾が袍 (ほう) の (らん) から出はじめたのが 10世紀中期頃からで,初めは天皇で約 57cm,親王が 50cm,大臣が 33cmぐらいであったが,13世紀になると大臣でさえ 3m以上となり,下襲の裾は上衣と切離されることとなった。

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デジタル大辞泉の解説

した‐がさね【下襲】

束帯の内着で、半臂(はんぴ)または袍(ほう)の下に着用する衣。裾を背後に長く引いて歩く。位階に応じて長短の制があり、鎌倉時代以後、天皇の料のほかは裾を切り離して別裾(べっきょ)とした。地質・色目・文様は、公卿(くぎょう)殿上人(てんじょうびと)などの身分の違いにより、また、夏と冬によって区別があった。
もと、下着のこと。肌着。〈日葡

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世界大百科事典 第2版の解説

したがさね【下襲】

公家衣服の一種。束帯半臂(はんぴ)の下,または直接に(ほう)の下に着る垂領(たりくび)で身頃二幅仕立ての腋(わき)あけの内衣。平安時代後期以降,衣服の大型化,広袖化とともに下襲の後身の裾(きよ)(尻(しり)ともいう)が非常に長くなった。947年(天暦1)に下襲の長さが,親王は袍の襴より出ること1尺5寸,大臣1尺,納言8寸,参議6寸としたが,1212年(建暦2)には大臣1丈,大納言9尺,中納言8尺,参議7尺となった。

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大辞林 第三版の解説

したがさね【下襲】

束帯の、半臂はんぴまたは袍ほうの下に着用する衣服。後ろ身頃みごろの裾が長く(裾きよ)、袍の下から出して引く。平安末期以後、裾は切り離されて別裾となった。 「えび染めの御さしぬき、桜の-いと長う尻ひきて/源氏 行幸
したぎ。肌着。 〔日葡〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

下襲
したがさね

公家(くげ)男子衣服の一種。束帯(そくたい)の内着で、半臂(はんぴ)の下、または直接に袍(ほう)の下に着る。垂領(たりくび)、身頃二幅(みごろふたの)仕立てで腋(わき)あけ形式。平安時代後期以降、衣服の大形化、広袖(ひろそで)化とともに下襲の後ろ身の裾(きょ)(尻(しり)ともいう)が長くなった。そこで、束帯姿で座るときは裾を折り畳み、寝殿の簀子(すのこ)に座るときは勾欄(こうらん)に掛け、歩行のときは折り畳んで石帯(せきたい)や剣(たち)に掛けたりした。下襲着用の便宜上、天皇、皇太子のほかは別裾(べっきょ)とよんで、後腰部から切り離し、紐(ひも)をつけて下襲の上から締めて後方に引いた。
 地質は公卿(くぎょう)以上、冬表裏とも綾(あや)、夏(こく)。殿上人(てんじょうびと)以下、冬表裏とも平絹、夏無文。色目(いろめ)はやや自由で、公卿以上、冬表白、裏蘇芳(すおう)、萌黄(もえぎ)、二藍(ふたあい)などの襲色目、夏蘇芳、青朽葉(くちば)など。殿上人以下は冬表白、裏蘇芳、夏二藍の場合が多い。行幸の供奉(ぐぶ)などに束帯を着装して、その当日のみ、袍以外は好みの地質、色目、文様を使い、これを一日晴(いちにちばれ)の装束といったが、ことに下襲の色をかえ、二倍(ふたえ)織物や刺しゅうあるいは文様染めを施し、華やかなものとして染下襲と称した。[高田倭男]

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世界大百科事典内の下襲の言及

【束帯】より

…武家も将軍以下五位以上の者は大儀に際して着装した。束帯の構成は(ほう),半臂(はんぴ),下襲(したがさね),(あこめ),単(ひとえ),表袴(うえのはかま),大口,石帯(せきたい),魚袋(ぎよたい),(くつ),(しやく),檜扇,帖紙(たとう)から成る。束帯や十二単のように一揃いのものを皆具,あるいは物具(もののぐ)といった。…

【舞楽装束】より


[歌舞の舞人装束]
 歌舞とは,神楽(御神楽(みかぐら)),大和(倭)舞(やまとまい),東遊(あずまあそび),久米舞,風俗舞(ふぞくまい)(風俗),五節舞(ごせちのまい)など神道系祭式芸能である。〈御神楽〉に使用される〈人長舞(にんぢようまい)装束〉は,白地生精好(きせいごう)(精好)の裂地の束帯で,巻纓(けんえい∥まきえい),緌(おいかけ)の,赤大口(あかのおおくち)(大口),赤単衣(あかのひとえ),表袴(うえのはかま),下襲(したがさね),裾(きよ),半臂(はんぴ∥はんび),忘緒(わすれお),(ほう∥うえのきぬ)(闕腋袍(けつてきほう)――両脇を縫い合わせず開いたままのもの),石帯(せきたい),檜扇(ひおうぎ)(),帖紙(畳紙)(たとうがみ),(しやく)を用い,六位の黒塗銀金具の太刀を佩(は)き,糸鞋(しかい)(糸で編んだ(くつ))を履く。手には鏡と剣をかたどった輪榊を持つ。…

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