不入(読み)フニュウ

デジタル大辞泉 「不入」の意味・読み・例文・類語

ふ‐にゅう〔‐ニフ〕【不入】

立ち入らないこと。また、入り込めないこと。
敵味方―の処なれば」〈三河物語・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「不入」の意味・読み・例文・類語

ふ‐にゅう‥ニフ【不入】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 年貢徴収や検注のために朝廷幕府使者荘園内部にはいるのを拒む特権古代検田使収納使中世守護使などが立ち入るのを拒否する権利がそれにあたる。
    1. [初出の実例]「早為守護使不入之地、可領知之状」(出典:鹿王院文書‐応永一九年(1412)五月九日・足利義持御教書写)
  3. ( 形動 ) 立ち入らないこと。はいりこまないこと。または、はいりこめないこと。はいりこむに至らないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「祖師道において不入なることは、我等が不入と全くもて一同なり」(出典:伝光録(1299‐1302頃)阿難陀尊者)

ふ‐いり【不入】

  1. 〘 名詞 〙 興行などで入場者の少ないこと。観客の入りの悪いこと。
    1. [初出の実例]「今度の芝居は極(きま)って不入(フイリ)だわえ」(出典:茶話(1915‐30)〈薄田泣菫座頭と花形俳優)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「不入」の解説

不入
ふにゅう

荘園などの所領に対する公権力介入を拒絶する権利。平安初~中期以来の荘園の多くは,公田官物あるいは雑役(ぞうやく)を免除されたものにすぎなかったため,太政官からの官使や検田使・収納使など国衙(こくが)からの国使の入部をうけたが,平安後期立券荘号によって成立する領域型荘園のうち,寺社領など一部の荘園は領域内への使者の入部を拒否する権利を獲得した。これらの荘園は鎌倉時代以降,守護使などの警察権の不入をも獲得するものが多かった。

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百科事典マイペディア 「不入」の意味・わかりやすい解説

不入【ふにゅう】

不輸不入

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旺文社日本史事典 三訂版 「不入」の解説

不入
ふにゅう

不輸・不入

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