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不安障害(不安神経症/恐怖症) ふあんしょうがいふあんしんけいしょうきょうふしょう Anxiety Disorder

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家庭医学館の解説

ふあんしょうがいふあんしんけいしょうきょうふしょう【不安障害(不安神経症/恐怖症) Anxiety Disorder】

[どんな病気か]
 強い不安や恐怖感が特徴である神経症性障害不安障害で、不安神経症恐怖症を含みます。パニック発作(ほっさ)、広場恐怖(ひろばきょうふ)などの症状が出現することもあります。
 パニック発作とは、突然、強い不安感、脅威・恐怖感などが始まり、まるで「破滅が目の前に迫ってきているような」状態になってしまうことです。この発作中には、動悸(どうき)、胸痛、胸部の不快感(胸が苦しい)、息切れ呼吸困難(息が苦しい)、のどに物がつまるような感じなどの自覚症状が出現します。実際に呼吸器の病気があるわけではないので、生命の危険は本来ないのですが、息が苦しい感じが強まると呼吸が激しくなり、過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)(コラム過換気症候群」)に至ることもあります。また、胸痛が強まり、心臓が悪いのではないか(このまま心臓が止まってしまうのではないか)という不安にとらわれてしまうと心臓神経症(しんぞうしんけいしょう)(「心臓神経症」)と呼ばれることもあります。
 広場恐怖とは、必ずしも広い場所が怖いという意味ではなく、具合が悪くなったときに、逃げることのできないような場所(たとえば、電車の中、とくに急行など停車駅の少ない電車や、エレベーターの中などの狭いところ)、助けを得られなかったり、恥ずかしい思いをしたりしてしまうのではないかと心配になるようなところ(人ごみの中や、人のたくさんいる広い場所)などの、慣れた場所から離れた、孤立した状況で「発作がおこるのではないか」という不安を抱いてしまい、それらの場所や状況を避けてしまうことです。
 このために、家から一歩も外に出ないですごすようになったりします。さらに、発作が出ていなくとも、「また発作がくるのではないか」と不安になる「予期不安(よきふあん)」も症状の1つです。
 不安障害にもいくつかの種類があり、このパニック発作と広場恐怖によって特徴づけられます。大きく分けると、
「広場恐怖のあるパニック障害
「広場恐怖のないパニック障害」
「広場恐怖があってパニック障害のないもの」
があり、またこれらとは別に、「全般性不安障害(ぜんぱんせいふあんしょうがい)」と呼ばれるものがあります。これは、パニック発作や広場恐怖がはっきりしないものの、6か月以上持続して漠然(ばくぜん)と不安、心配な気持ちでいるものをさします。
●どう対応すればよいか
 不安障害の発作は、前述のように、「このまま死んでしまうのではないか」
という強い恐怖感がともなうことがあるので、救急車で病院に駆けこんでくるケースもみられます。しかし、周囲の人間が一緒になって不安になってしまうと、ますます本人の不安を強めてしまいます。不安障害の発作であることがわかっているならば、身体医学的に心配はないとはいえ、本人の苦痛・不安は耐えがたいものです。そのつらさを共有・理解してあげると同時に、身体的には心配がいらないという考えを忘れずに、あわてることなく、本人のからだや手を押さえてあげるなどして安心感を与えるようにします。
 そして、ある程度落ち着いたら病院を受診するようにします。薬の調節などによって発作を防いだり、発作がおこりそうなときに追加する発作の予防薬が有効なこともありますので、受診時に、発作のおこった場所や症状、頻度などについて主治医に説明し、よく相談することがたいせつです。
[治療]
 抗不安薬(いわゆるマイナートランキライザー)や抗うつ薬などを用いた薬物療法を行ないます。抗不安薬の服用によって不安感がとれ、落ち着いてきます。抗うつ薬は継続的に飲むことによって、徐々に効果が現われます。それと同時に、人によって異なるさまざまな心理的要因が隠されていることが多く、それらが徐々に明らかになってくることがあります。これらの点については、主治医の診察をくり返すなかで話し合いを行ないながら考えていきます。
 この場合、薬物療法に加えて、短時間精神療法認知療法精神分析的精神療法などの精神療法を組み合わせていきます。日本の精神科外来では、保険制度上どうしても診察時間が短くならざるをえないことが多いため、短時間で行なえるものがよく用いられます。
 また、不安障害の患者さんは、さまざまなことに対して自信をなくしており、過度に悲観的にものを考える癖(くせ)がついていることが多いため、それらを治していくには、認知療法や、少しずつ行動範囲を広げて自信をつけていく行動療法認知行動療法などが有効とされています。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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