世界記憶遺産(読み)せかいきおくいさん

百科事典マイペディアの解説

世界記憶遺産【せかいきおくいさん】

ユネスコが主催する世界遺産事業の一つで,〈世界の記憶〉ともいう。後世に伝えるべき歴史的文書などの保存を奨励し,デジタル化などを通じて世界の人々のアクセスが可能となることによって,世界的観点から歴史的文書の重要性を認識することを目指している。ユネスコ世界記憶遺産国際諮問委員会で,1997年から2年ごとに登録事業がなされている。日本からは長く推薦がなかったために知名度が低いが,中国,韓国をはじめ文書記録に長い伝統を持つ世界の各地から登録が続いている。2011年,福岡県田川市と福岡県立大学が共同でユネスコに提出した山本作兵衛が書き残した筑豊の炭鉱画697点が日本国内では初めて記憶遺産として登録された。日本ユネスコ国内委員会もこれに続いて複数の作品の推薦を提出,2013年には《慶長遣欧使節関係資料》《御堂関白記》,2015年には《舞鶴への生還 1945〜1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録》《東寺百合文書》が記憶遺産に登録された。
→関連項目儀軌清州世界遺産条約

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

世界記憶遺産

歴史的な文書や絵画、音楽を後世に残すため、ユネスコが1992年に始めた。最新の技術を駆使して保存し、広く公開する。べートーベン「第九」の楽譜や「アンネ・フランクの日記」、藤原道長の日記「御堂関白記」などが登録されている。

(2015-12-26 朝日新聞 朝刊 岐阜全県・1地方)

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知恵蔵miniの解説

世界記憶遺産

国連教育科学文化機関(ユネスコ)が主催する遺産事業。「世界の記憶」「記憶遺産」とも呼ばれる。文書、絵画、楽譜、映画など世界各国で保管されている歴史的に貴重な史料を登録・保護し、後世に伝えることを目的としている。登録された史料はデジタルデータにして保存され、広く一般に公開される。1992年にスタートし、ユネスコの国際諮問委員会が2年に1度、審査を行っている。2013年6月現在、フランスの「人権宣言」、オランダの「アンネの日記」など299点が登録されている。日本からは、炭鉱絵師・山本作兵衛の作品群、スペインと共同推薦した「慶長遣欧使節関係資料」など3件が登録されている。

(2013-6-20)

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事典 日本の地域遺産の解説

世界記憶遺産

ユネスコが歴史上重要な文献や絵画、音楽、フィルムなどを後世に伝えるのが目的で1992(平成4)年から始めた事業の1つ。ユネスコの世界記憶遺産国際諮問委員会(IAC)での審査を経て2年に1度登録が行われ、これまでにベートーベンの交響曲第9番の自筆楽譜、マグナカルタ(大憲章)、「アンネの日記」など268件(2012年5月現在)が登録されている。自然や建物など不動産が中心の世界遺産、伝統芸能などが対象の無形文化遺産と合わせ、ユネスコの三大遺産事業ともいわれる。2011(平成23)年5月25日福岡県田川市と福岡県立大学が共同で申請した山本作兵衛の炭坑の記録画および記録文書が、日本で初めて世界記憶遺産に登録された。
[選定機関] ユネスコ
[選定時期] 1992(平成4)年~
[登録・認定名] 山本作兵衛コレクション(炭坑記録画)

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

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