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世界の記憶 セカイノキオク

デジタル大辞泉の解説

せかい‐の‐きおく【世界の記憶】

ユネスコの事業の一。損失の危機にある文書や映像フィルムなどの記録を保存し、未来の世代に引き継ぐためのもの。マグナカルタ(大憲章)、ベートーベン直筆の交響曲第9番楽譜、ヒッタイトくさび形文字を記した粘土板などが登録されている。世界記憶遺産MOW(Memory of the World)。
[補説]日本の登録物件
山本作兵衛の炭坑記録画および記録文書(平成23年)
慶長遣欧使節関係資料(平成25年)
御堂関白記(平成25年)
東寺百合(ひゃくごう)文書(平成27年)
舞鶴への生還(平成27年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

世界の記憶

歴史的な文書や絵画などを保存し、後世に伝えることを目的にユネスコが1992年に始めた。政府機関のほか地方自治体や個人も申請できる。「アンネの日記」や「マグナ・カルタ」など348件が登録され、国内からは「山本作兵衛炭坑記録画・記録文書」「御堂関白記」「慶長遣欧使節関係資料」「舞鶴への生還」「東寺百合(ひゃくごう)文書」の5件が登録済み。昨年、日本での名称が「記憶遺産」から変更された。

(2017-06-24 朝日新聞 朝刊 5総合)

世界の記憶

昨年、日本での名称が「記憶遺産」から変更された。歴史的文書や絵などを保存し、後世に伝えるのが目的で、「アンネの日記」や「マグナ・カルタ」などが登録されている。上野三碑は2015年に国内候補の一つに選ばれた。国際諮問委員会の審議を経て、近く登録の可否が決まる見通し

(2017-09-22 朝日新聞 朝刊 群馬全県・2地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

世界の記憶
せかいのきおく
Memory of the World

人類の貴重な文書、書籍、写真などの資料(動産)を保存し、広く一般に公開するための事業。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「世界遺産」「無形文化遺産」と並ぶ遺産事業の一つとして実施している。後世に継承すべき重要な文書類が毀損(きそん)・消失するのを防ぐ目的で1992年に創設された。当初、日本ユネスコ国内委員会は「世界記憶遺産」という呼称を用いていたが、2016年より英語の原義に近い現称に変更した。最初の登録は1997年で、以後2年ごとに、国際諮問委員会が各国政府や非政府機関の申し出に基づいて認定している。書籍や写真など資料の形態に応じてもっとも適切な保存手法をとり、デジタル化してユネスコのウェブサイトで専門家や一般の人々の区別なく、平等かつ容易に閲覧できるようにしている。
 人類の文化、言語、民族の多様性を映した貴重な資料で、歴史的、社会的な価値があり、希少で元のままの状態で保存されていることなどが登録の基準となる。2015年時点の登録数は348件。ベートーベン交響曲第9番の自筆譜、アンネ・フランクの日記、マグナ・カルタ(大憲章)、グーテンベルクの聖書、古代ナシ族のトンパ文字(トンバ文字)による文書などが登録されている。
 2017年の登録に向けて、群馬県にある古代の石碑「上野(こうずけ)三碑」、日本のシンドラーといわれる外交官、杉原千畝(すぎはらちうね)に関する資料である「杉原リスト―1940年、杉原千畝が避難民救済のため人道主義・博愛精神に基づき大量発給した日本通過ビザ発給の記録」の推薦が決まっている。
 2015年(平成27)には、中国が申請した「南京大虐殺資料」が登録されたが、南京大虐殺については、犠牲者の人数など日中間で統一した事実認定がなされておらず、日本政府がユネスコに抗議、政府高官が日本のユネスコへの分担金・拠出金の凍結を示唆するなど、国際問題化した。日本政府は、ユネスコに対し、世界の記憶の審議の透明化を求めるなど、登録プロセスについて改革を求める動きを強めている。また、同年、日本が申請し、登録された「舞鶴(まいづる)への生還」についてもロシア政府が異議を唱えるなど、国による歴史認識の対立を背景に、世界の記憶をめぐる論争は強まる傾向にある。
 日本からの登録は2015年時点で以下の5件である。
2011年
「山本作兵衛(さくべえ)炭鉱記録画・記録文書」(福岡県・筑豊(ちくほう)地域の炭鉱労働のようすを描いた原画や日記)
2013年
「慶長遣欧使節関係資料」(伊達政宗(だてまさむね)が派遣した使節に関する資料)
「御堂関白記(みどうかんぱくき)」(藤原道長の日記)
2015年
「東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)」(京都の東寺に伝わる平安~江戸時代初期までの文書)
「舞鶴への生還 1945―1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録」(シベリア抑留から帰還した人々の日記、手紙、絵画など)[編集部]

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