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両墓制 りょうぼせい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

両墓制
りょうぼせい

1人の死者に関して,死体を埋葬する埋め墓と,死者の霊を祀る参り墓とを二重にもつ墓制。また両墓制には埋め墓から参り墓へ骨や土を改葬するものと改葬を伴わないものとがある。両墓の位置関係は,埋め墓を遠く村外にもつものから両墓隣接するものまで種々ある。

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デジタル大辞泉の解説

りょうぼ‐せい〔リヤウボ‐〕【両墓制】

遺体を葬る墓(埋め墓)と供養を営む墓(参り墓)を別に設ける風習。

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百科事典マイペディアの解説

両墓制【りょうぼせい】

死者の葬所(埋め墓)と霊をまつる所(参り墓)を区別する習俗。前者は人家から離れた所にあり,墓標もおかず,参るのは中陰明けまでが普通。後者は屋敷内や寺の境内などにあり,墓標をおく。
→関連項目

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世界大百科事典 第2版の解説

りょうぼせい【両墓制】

遺体の埋葬地と,霊魂の祭祀対象としての墓石の,二つの墓を地所を別にしてもつ墓制のこと。埋葬地を埋墓(うめばか)といい,イケバカ,ステバカ,サンマイなどともいう。墓石のある墓地を詣墓(まいりばか)といい,キヨバカ,マツリバカなどともいう。埋墓が河川敷・山中・海浜などに設置されるのに対し,詣墓は村内の寺・堂などの境内に設けられる。埋墓は共有地の場合が多く,死亡順に埋葬していって,埋葬する場所がなくなれば,またもとの場所へもどる。

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大辞林 第三版の解説

りょうぼせい【両墓制】

遺骸を埋葬した葬地(埋め墓)のほかに、死者の霊をまつるために別に祭地(参り墓)をおく墓制。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

両墓制
りょうぼせい

日本の墓制の一つ。土葬を基調とする墓制で、1人の死者のために遺骸(いがい)を埋葬する墓(埋め墓)のほかに、供養のために詣(まい)る墓(詣り墓)を設ける。遺骸を埋葬した墓で供養を続ける単墓制に対して両墓制とよぶ。事例はおもに関東から中国、四国地方に分布し、東北、九州地方にはきわめて少ない。死後一定期間だけ埋め墓に詣り、それ以後は詣り墓に詣るというのが一般の傾向である。初七日、四十九日、百箇日、一周忌など、死後1年の間の法事を機会に、詣り墓に供養の中心を移す所が多いが、数年、十数年後という土地もある。
 両墓制の個々の事例の成立事情は単純ではない。明治以後、墓地を整備したために、埋め墓と詣り墓の別が生じたという例もある。しかし、宗教的に両墓制を支えているのは、遺骸は穢(けが)れているが、ある期間を経た死者の霊魂は清浄なものとする観念であろう。日本の葬法は本来二重葬的で、古く「もがり」などとよばれた仮葬と、本格的に遺骸を処置する本葬との二段階があった。埋め墓での死後の供養は仮葬での供養に相当し、忌みのかかった親族が穢れのある遺骸に近づいて供養を行った形をとどめている。埋め墓は、地上葬であった仮葬が本葬のような埋葬に変化したために生じたとも考えられる。詣り墓に移るとき、埋め墓の土をすこし持って行くという習俗が広くみられるのは、仮葬地から本葬地への遺骸の移動に対応している。
 詣り墓は墓石によって標示されることも多く、両墓制は、庶民の間に墓石が普及したとき、埋葬地とは別の場所に墓石を立てたために生じたとする見方もある。詣り墓には仏教信仰の影響を受けた、死者の霊魂を供養する聖地の性格が強い。詣り墓に髪や爪(つめ)を葬るというのは、高野山(こうやさん)など寺院の納骨堂に髪や爪を納めて死後の成仏を願うのと共通している。単墓制でも、供養堂など詣り墓に相当するような供養施設が墓以外の形で存在する例は珍しくない。詣り墓に移ったあとも、盆や彼岸(ひがん)などには両方の墓に詣るなど、埋め墓が単墓制の墓とあまり違わない扱いを受けている場合もある。
 葬ることを古語でハフルというのは、捨てるという意味で、埋め墓は遺骸を放棄する施設の名残(なごり)とする考えもある。現に埋め墓を埋葬後まったく顧みないという例もあるが、数も少なく、これを重視することはできない。ただ埋め墓に捨てたとも考えられない。埋め墓から骨だけを収め、詣り墓に改葬する葬法もあり、さらには琉球(りゅうきゅう)諸島の洗骨葬の問題とも関連してくる。埋め墓は遺骸供養の信仰に、詣り墓は死者の霊魂祭祀(さいし)の信仰にかかわっている。埋め墓には、石を円形に並べて中央に石を一つ立てたものや、小さな丸石を円錐(えんすい)形に積み上げたものなど、古風な墓のしるしと思われる形態のものがある。[小島瓔
『最上孝敬著『詣り墓』(1956・古今書院)』

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