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中河与一 なかがわ よいち

百科事典マイペディアの解説

中河与一【なかがわよいち】

小説家。香川県生れ。早大英文科中退。《朱欒(ザンボア)》に短歌を投稿,1922年,歌集《光る波》を刊行。その後《文芸時代》の創刊に参加,《刺繍せられた野菜》などで新感覚派の一人として知られる。マルクス主義文学論に反対して形式主義芸術論,偶然文学論を唱えた。昭和10年代前半には《愛恋無限》で透谷文学賞を,《天の夕顔》は永井荷風の激賞を受けた。しだいに民族主義に傾き〈日本浪曼派〉に参加,《文芸世紀》を主宰。この期の活動は戦後批判を浴びた。その後の作品には,谷崎潤一郎をモデルとした《探美の夜》などがある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

中河与一 なかがわ-よいち

1897-1994 大正-昭和時代の小説家。
明治30年2月28日生まれ。大正13年川端康成,横光利一らと「文芸時代」を創刊し,新感覚派の旗手となる。のち叙情的作風にうつり,昭和13年の「天の夕顔」はきよらかな恋愛小説として人気をえた。戦時中は超国家主義の立場にたった。妻は歌人中河幹子。平成6年12月12日死去。97歳。東京出身。早大中退。作品はほかに「愛恋無限」「失楽の庭」など。

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世界大百科事典 第2版の解説

なかがわよいち【中河与一】

1897‐1994(明治30‐平成6)
小説家。香川県坂出町に医師の長男として出生。少年時代,北原白秋編集の《朱欒(ザンボア)》に短歌を投稿。1919年早大予科文学部に入学,21年英文科に進む。翌22年中退,同年歌集《光る波》刊。《或る新婚者》で文壇の評価を得た。24年10月,横光利一,川端康成らと《文芸時代》を創刊し,新感覚派運動を興す。この期の代表作は《刺繡せられた野菜》《氷る舞踏場》。30年《形式主義芸術論》を世に問い,同年月刊雑誌《新科学的》を創刊。

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大辞林 第三版の解説

なかがわよいち【中河与一】

1897~1994) 小説家。香川県生まれ。早大中退。新感覚派のモダニズム文学から出発。青年の人妻への純愛を抒情的に描く「天の夕顔」が代表作。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中河与一
なかがわよいち

[生]1897.2.28. 香川,坂出
[没]1994.12.12. 神奈川,箱根
小説家。 1922年早稲田大学英文科中退。 23年菊池寛に認められて『文藝春秋』編集同人。 24年『文芸時代』を横光利一,川端康成らと創刊,知的な発想と奔放華麗な文体新感覚派運動の代表作家となった。その後『愛恋無限』 (1935) ,『天の夕顔』 (38) などの小説で東洋的な抒情の世界を具現したが,次第に超国家主義に傾斜,雑誌『文芸世紀』によって軍国主義への協力を強めた。第2次世界大戦後は『失楽の庭』 (50) で文壇に復帰。谷崎潤一郎をモデルにした『耽美の夜』 (56~59) などもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中河与一
なかがわよいち
(1897―1994)

小説家。香川県に生まれる。早稲田(わせだ)大学英文科中退。初期には短歌に興味を示す。小説家として評価を得るのは1923年(大正12)の『或(あ)る新婚者』(のちに『新婚者』と改題)からである。24年に川端康成(やすなり)、横光利一(りいち)らと『文芸時代』を創刊。『刺繍(ししゅう)せられた野菜』(1924)、『氷る舞踏場』(1925)を発表し、新感覚派の旗手としてモダニズム時代を築く。評論活動も精力的に行うが、しだいに叙情的作風に移行し、『(ろう)たき花』(1933)、『愛恋無限』(1935~36)に続いて38年(昭和13)には代表作『天(てん)の夕顔』を発表する。戦時下には民族主義の立場をとる。戦後の作に『失楽の庭』(1950)、『悲劇の季節』(1952)、『探美の夜』(1956~59)がある。[高橋真理]
『『中河与一全集』全12巻(1966~67・角川書店)』

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世界大百科事典内の中河与一の言及

【新感覚派】より

…文学流派。1924年(大正13)10月に同人雑誌《文芸時代》(1927年5月終刊)が創刊され,そこに結集した横光利一,川端康成,中河与一,今東光,片岡鉄兵らがこの名で呼ばれ,表現技法の革新を行った。命名者は千葉亀雄で《世紀》24年11月号誌上の文芸時評で〈新感覚派の誕生〉をうたったことによりこの名が文壇に定着した。…

※「中河与一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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