日本大百科全書(ニッポニカ) 「丸瀬布」の意味・わかりやすい解説
丸瀬布
まるせっぷ
北海道東部、網走(あばしり)支庁(現、オホーツク総合振興局)管内にあった旧町名(丸瀬布町(ちょう))。現在は紋別(もんべつ)郡遠軽(えんがる)町の中央部を占める地域。旧丸瀬布町は1953年(昭和28)町制施行。2005年(平成17)、遠軽町に合併。旧町名の由来はアイヌ語マウレセプ(三つの川に分かれている広い所の意とされるが不詳)によるといわれる。JR石北本線、国道333号が通じる。北見山地を流下する湧別(ゆうべつ)川の中流域に位置し、中心市街は、丸瀬布川、武利(むりい)川が湧別川に合流する河岸段丘上に開けている。森林面積が町域の95%を占め、そのほとんどが国有林である。1889年(明治22)に植民地区画測量が行われているが、実質的な開拓は1912年(明治45)宮城県の団体入植に始まる。産業は林業、木材・木製品工業が中心で、農業はサトウダイコン(テンサイ)などの畑作と酪農であるが、草地造成の規模は小さい。武利川上流には丸瀬布温泉があり、その南4キロメートルに山彦の滝がある。
[岡本次郎]
『『新丸瀬布町史』(1994・丸瀬布町)』