事業債(読み)じぎょうさい

精選版 日本国語大辞典 「事業債」の意味・読み・例文・類語

じぎょう‐さい ジゲフ‥【事業債】

〘名〙 金融機関以外の一般事業会社が発行する社債電力債とそれ以外の一般事業債に分けられる。
真理の春(1930)〈細田民樹〉森井コンツェルン「シンジケート銀行団を無視して、大阪市電気事業(ジゲフサイ)七千三百万円を一手に奪取し」

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デジタル大辞泉 「事業債」の意味・読み・例文・類語

じぎょう‐さい〔ジゲフ‐〕【事業債】

主に金融機関以外の株式会社が発行する社債電力会社が発行する電力債、一般の事業会社が発行する一般事業債などの区分がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「事業債」の意味・わかりやすい解説

事業債 (じぎょうさい)

社債のうち民間事業会社が発行するものであり,電力債と一般事業債に分けられる。電力債は電力会社9社が発行するものであり,一般事業債はそれ以外の会社が発行するものである。事業債には普通社債転換社債新株引受権付社債株式買取権付社債)などがあり,それぞれ担保付きのものと無担保のものがあるが,現在日本で発行されているのはほとんど担保付きである。1975年ころから海外での事業債発行も急増した。
社債
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「事業債」の意味・わかりやすい解説

事業債
じぎょうさい
industrial bonds

社債の一種で,金融機関以外の事業を営む企業が発行する債券通常5年以上の比較的長期の確定利付証券利率償還期限などの発行条件は,欧米諸国のように社債市場が整備されているところでは市場の需給関係によって決るのが普通であるが,日本では利率,発行金額などは種々の規制慣行に基づいて決められてきた。また発行限度額も商法によって定められていたが,1993年の商法改正により,発行限度枠の撤廃,受託制度の見直し等が行われた。これは企業の資金調達としての社債の重要性の増大に対応するとともに,債権者保護の強化を目的としたもので,各種の規制も廃止に向うと考えられる。

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百科事典マイペディア 「事業債」の意味・わかりやすい解説

事業債【じぎょうさい】

金融以外の事業を営む株式会社が発行する債券(狭義の社債)をいう。電力会社の発行する電力債と,それ以外の一般事業債とに区別されることが多い。金融債に対する用語。海外でも発行される。
→関連項目起債市場

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「事業債」の意味・わかりやすい解説

事業債
じぎょうさい

株式会社の発行する社債のうち、金融機関以外の各種事業を営む会社の発行する社債をとくに事業債という。事業債は通常、電力会社が発行する電力債と、その他の一般の事業会社が発行する一般事業債とに区分される。

[後藤 猛]

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世界大百科事典(旧版)内の事業債の言及

【債券】より

…発行主体による分類のほか,担保の有無により,担保付社債無担保社債,債券上の権利者の表示の有無により,記名債券と無記名債券(日本では,実際上すべて無記名債券である),募集地域の内外により,内債と外債(外貨表示の外債を外貨債という。ただし,円建外債は,外国,国際機関,外国企業が日本で発行する円建債をいう),利札の有無により,利付債と割引債(割引債・利付債),現実に債券が発行されているか否かにより,現物債(本券ともいう)と登録債,発行主体の性質により,金融債(金融機関が発行)と事業債(一般事業公社が発行),発行方法により,公募債(公募)と私募債(縁故債),償還期限の長短により,長期債,中期債,短期債,などに分類される。債券には,元本償還や利息支払の条件が記載されている(要式証券。…

【電力債】より

…電力債は,北海道,東北,東京,中部,北陸,関西,中国,四国,九州の9電力会社が設備投資に必要な資金を調達するために発行する債券である。電力債は,社債発行総額を調整する際に,他の事業債(一般事業債)と別建てで行われており,一般事業債よりも優先して起債されるように努力が払われてきた。また,発行限度額も一般事業債の2倍となっているため,事業債(一般事業債と電力債とからなる)に占める電力債の割合は非常に高いものとなっている。…

※「事業債」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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