城辺(読み)じょうへん

精選版 日本国語大辞典 「城辺」の意味・読み・例文・類語

じょう‐へんジャウ‥【城辺】

  1. 〘 名詞 〙 城のあたり。
    1. [初出の実例]「到暁城辺誰擣衣、冷々夜響去来飛」(出典:経国集(827)一・重陽節神泉苑賦秋可哀〈嵯峨天皇〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「城辺」の意味・わかりやすい解説

城辺(沖縄県)
ぐすくべ

沖縄県宮古(みやこ)郡、宮古島東部にあった旧町名(城辺町(ちょう))。現在は宮古島市の東部を占める。旧城辺町は1947年(昭和22)町制施行。2005年(平成17)下地(しもじ)町、上野(うえの)村、伊良部(いらぶ)町、平良(ひらら)市と合併し宮古島市となった。旧町域は石灰岩に覆われた台地状の地形。海岸部は40~90メートルの急崖(きゅうがい)をなし、海に迫る。国道390号と主要地方道平良・城辺線が旧平良市街地と連結。古くは、海岸沿いの台地上に村落があったが、マラリア病によって廃村。その後、強制移民によってたてられた村落が多い。歴史が新しい内陸部の集落についても同様である。明治中期、人頭税撤廃運動が最初に起こった地として知られる。宮古最大の農業地域で、サトウキビを中心として、近年は葉タバコ、カボチャ、ユリなどが栽培されている。日本で初めての農業用の実験地下ダム(皆福ダム(みなふくだむ))が1979年(昭和54)に完成した。名所として、東平安名崎(岬)(ひがしへんなざき)、ムイガー断崖と七又(ななまた)海岸、旧跡として上比屋山遺跡群(かみひややまいせきぐん)、高腰城跡がある。

[堂前亮平]

『『城辺町制施行十五周年記念誌』(1963・城辺町)』『『城辺町史』全5冊(1985~ ・城辺町)』



城辺(愛媛県)
じょうへん

愛媛県南部、南宇和郡(みなみうわぐん)にあった旧町名(城辺町(ちょう))。現在は愛南町(あいなんちょう)の南部を占める一地域。1923年(大正12)町制施行。1952年(昭和27)緑僧都(みどりそうず)村、1956年東外海(ひがしそとうみ)町を合併。2004年(平成16)内海(うちうみ)村、御荘(みしょう)町、一本松(いっぽんまつ)町、西海(にしうみ)町と合併、愛南町となる。城辺甲に愛南町役場が設置されている。旧町域は、南部は宿毛(すくも)湾に面し、僧都川が中央を流れる。南宇和郡の商業、交通の中心で、国道56号が通じる。戦国期の御荘(みしょう)氏の城跡があり、名称もそれにちなむ。天然の良港深浦港はかつては近海交通の拠点であったが、現在はイワシ網漁業やカツオ漁の基地である。かつお節製造、タイ、ハマチなどの養殖が盛ん。農業はミカンなどの柑橘(かんきつ)類栽培が中心。沿岸はリアス海岸をなし、足摺宇和海(あしずりうわかい)国立公園に含まれる。

[横山昭市]

『『城辺町誌』(1966・城辺町)』

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普及版 字通 「城辺」の読み・字形・画数・意味

【城辺】じよう(じやう)へん

城のほとり。唐・李白〔烏夜〕詩 邊、烏棲(す)まんと欲し 歸り飛んで、(あくあく)として枝上に

字通「城」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「城辺」の意味・わかりやすい解説

城辺[町]【じょうへん】

愛媛県南部,南宇和郡の旧町。僧都(そうづ)川の流域を占め,南は宿毛(すくも)湾に臨む。中心集落は中世末期に城のあったところで,城跡に諏訪(すわ)神社がある。南部の深浦はイワシ・カツオ漁業の根拠地で水産加工も行われる。海岸は足摺宇和海国立公園に属する。2004年10月南宇和郡御荘町,一本松町,西海町,内海村と合併し,南宇和郡愛南町となる。75.35km2。9598人(2003)。

城辺[町]【ぐすくべ】

沖縄県,宮古島の東部を占める宮古郡の旧町。最大の集落は新城(あらぐすく)。大部分は50〜100mの隆起サンゴ礁で,サトウキビを主産,製糖工場がある。東端の東平安名(あがりへんな)岬は景勝地。2005年10月,平良市,宮古郡下地町,伊良部町,上野村と合併し市制宮古島市となる。57.60km2。7718人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「城辺」の意味・わかりやすい解説

城辺
じょうへん

愛媛県南端,愛南町の旧町域。宿毛湾に面し,僧都川流域を占める。1923年町制。1952年緑僧都村と,さらに 1956年東外海町と合体。2004年内海村,および御荘町,一本松町,西海町の 3町と合体し,愛南町となる。中心集落の城辺は,戦国時代に常盤山に城が置かれてから,その城下町として発達。山地が多い。海洋性気候で,温暖な気候に恵まれている。米作のほか果樹栽培が行なわれる。深浦港はカツオ漁で知られる漁港で,避難港の役割も果たす(→深浦)。天嶬鼻は宇和海海域公園地区に属する景勝地で,黒崎鼻付近一帯とともに足摺宇和海国立公園に属する。付近は,海底にサンゴ類や熱帯魚が見られ,磯釣りでも有名。

城辺
ぐすくべ

沖縄県西部,宮古島市南東部の旧町域。宮古島の南東部にある。1947年町制。2005年平良市,下地町,上野村,伊良部町と合体して宮古島市となる。旧町名は近世以来の間切(まぎり。行政区画)名に由来。大半はサトウキビ栽培農家だが,肉牛飼育も盛ん。製糖工場がある。上比屋山遺跡(ういぴゃーやまいせき),ムイガー断崖,国指定名勝の東平安名崎(ひがしへんなざき)など観光資源が多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「城辺」の意味・わかりやすい解説

城辺 (ぐすくべ)


城辺 (じょうへん)

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世界大百科事典(旧版)内の城辺の言及

【八重山地震津波】より

…宮古でも退潮現象があり,また巨大なサンゴ礁岩も打ち上げられている。池間・前里(現,平良(ひらら)市),友利・砂川(現,宮古郡城辺(ぐすくべ)町),新里・宮国(現,下地(しもじ)町),伊良部(いらぶ)・仲地・佐和田(現,伊良部町),塩川・仲筋・水納(みんな)(現,多良間(たらま)村)の12ヵ村に被害があり,計2548人が死亡した。結局,遭難者は八重山,宮古を合わせて1万1861人に達した。…

※「城辺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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