気体,液体,粉体,粒体などの体積を測定する機器。容積計ともいう。これらの物質の商取引に使われることが多いので計量法による規制の対象となっており,升,化学用体積計,目盛付きタンクおよび積算体積計に大別される。
液体用,穀物用,雑用などがあり,これらをいっぱいに満たすか,上端に沿って平面にかきとり所定の体積を計量する。形状は長方形か円筒形で,円錐形もある。
→升
理化学実験,医療用に用いるガラス製の液体用体積計で,フラスコ,ピペット,ビュレット,メスシリンダーなどがある。フラスコの目盛には受用と出用とがあり,前者では乾燥状態で入れた液量が所定の量であることを示し,後者は規定の時間をかけて流出した場合に所定の体積が流出されたことを示す。AまたはInで受用,EまたはExで出用を示す。計量法で定める許容器差は,例えば容量100mlのフラスコでは受用で±0.12ml,出用で±0.24ml,容量1000mlのものでは受用で±0.60ml,出用で±1.20mlである。ビュレットは容量分析や滴定などに使用される。ピペットやビュレットの目盛はいずれも出用である。
タンク内の液面位置を測定するためのゲージグラス,スケール,うきなどをつけて液量を計量する。一定液量をこえるとオーバーフローする構造のものもある。これらのほかに液体を満たしておき,そこに浮鐘(ベルジャー)をつけ,その内部に気体を導入し,排出された液量または浮鐘の変位から気体の体積を測定するタンクもある。ガスメーターの標準として使われる。
管路の所定の断面を通過して流れる流体の体積を,流量または流速を測定し,それを積算して表示する体積計。流量計と呼ばれる。水道メーター,小売用ガソリンの計量器,都市ガス用ガスメーターなどが身近な例である。
執筆者:山崎 弘郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
液体、気体などの体積を測定する器具、機械の総称であり、基本部分は一定容積をもった容器によって構成されている。古くから液体や穀物の計量に用いられた「枡(ます)」が代表例の一つで、寸法によって容積を定め、上縁または目盛り線などによって液面(レベル)を定めて一定量を量り取ることができる。化学実験などに使われるガラス製体積計は比較的少量の液体を精密に量り取るためにつくられたもので、フラスコ、メスシリンダー、ピペット、ビュレットなどの種類がある。金属製の容器は一般にタンクとよばれ、可搬型と定置型がある。液体を計量する場合には、容器を空にしたときに液体の粘性によって器壁に残着する量が誤差要因となるので、フラスコやタンクには一定量を受け入れるもの(受け用)と一定量を排出するもの(出し用)の区別がされている。産業上の種々の用途に用いられる体積計には、原理・構造などにより多くの種類がある。広く用いられるのは、一定容積の容器複数個を交互に繰り返し用いて、連続的に流体を通しながら通過体積を測定するもので、これらは積算体積計ともよばれる。ガスメーター、実測式の水道メーター、ガソリン量器などはその代表例であり、たとえば、周囲を柔軟な膜で仕切られた可動壁、ピストン・シリンダー、回転子型流体機械を用いて、流体の通過量に比例した回転数または信号パルス数を取り出して積算を行っている。体積計の目盛り校正は、液体用の場合には、標準密度をもった液体(多くは水)を用いて質量測定を行う衡量法(こうりょうほう)がもっとも正確であるが、大容量の場合や気体用では、寸法測定によるか、基準体積計との比較による方法が一般的である。基準体積計としては、フラスコやタンクが多く用いられ、また、大容量の場合には、基準体積管(パイプ・プルーバー)とよばれる一定断面積の長尺パイプを用い、球状のピストンを通過させて一定量を量り取る方法などが用いられる。
[三井清人]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…水量計または液量計は液体の体積を求める計器であって,2種類に大別される。第1は液体を一定容積の容器,または体積を液面の高さなど長さに変換できる容器に注いで体積を求める体積計,あるいは容積計である。第2は液体を連続的に流して,その一定時間における流量の積算値から液量を求める方式で積算体積計とも呼ばれる。…
※「体積計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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