精選版 日本国語大辞典「何処か」の解説
どっ‐か【何処か】
(「どこか(何処━)」の変化した語で、くだけたいい方)
[2] 〘副〙 =どこ(何処)やら①②
※洒落本・登美賀遠佳(1782)「あの光様といふのはどっかむす子らしいネ、おらい様はきついきまりさ」
いずく【何処】 か
① どこに…か。どこへ…か。
※万葉(8C後)三・四八〇「大伴の名に負ふ靫(ゆき)帯びて万代に頼みし心何所可(いづくカ)寄せむ」
② どこが…か。どんな所が…か。
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「『又、さるたぐひおはしましなむや』と思ひ侍るに、いづくかおとり給はむ」
③ (推量のことばを伴って) どうして。なんとかして。
※書紀(720)成務四年二月(寛文版訓)「稟気懐霊(よろつのもの)、何(イツクカ)得処(やすから)ざらむ」
どこ‐か【何処か】
(「か」は不定の意を表わす助詞)
[1] 〘連語〙 不定の場所をさす。
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一二「何所(ドコ)か知らない田舎へ持て徃て売るのだなア」
[2] 〘副〙 これといってはっきりさし示すことはできないが、たしかにあるという感じを表わす。何となく。どこか。
※人情本・吾嬬春雨(1832)前「何処か梅我(くめさ)に似て居るぢゃアありませんか」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報