中国、北宋(ほくそう)の政治家、王安石(1021―86)の新法の一つ。北宋騎兵の軍馬は、甘粛(かんしゅく)や四川(しせん)でウイグル人、チベット人から購入した良馬を、官営牧場で増殖する方法により供給されていた。王安石は、その飼育を民間で行わせて経費節減を図る一方、牧場の多くを農地に転換し、農民に耕作させて小作料を確保しようとした。軍馬の飼育には対価を与え、保甲(ほこう)を対象に飼育させたので、保甲養馬法ともよばれる。首都開封のほか華北各地で実施されたが、各戸の資産を基準に飼育を割り当てた例もあり、保甲組織の活用はかならずしも徹底していない。小作料増収と飼育経費節減の面では成果をあげたが、軍馬の供給を安定させ北宋騎兵隊を強化するという目的は果たせなかった。
[島居一康]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
北宋の王安石の新法の一つ。民兵化をめざす保甲法と関連する。遼,西夏の,馬の輸出禁止による軍馬の入手難に対し,民間に官馬または代価を給して馬を養わせ,平時は使役に供し,戦時の軍馬を確保しようとした。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…さらに首都圏と遼・西夏に接する陝西・山西・河北とでは,保甲単位で成丁に本格的な軍事訓練を施して従来の傭兵に代え,軍事費を削減しようとした。また,保に馬の飼育を課した地方もあった(保馬法)。しかし旧法党が政権を握って以後,保甲法は軍事・警察的性格をしだいに失い,むしろ宋朝の郷村支配の制度に変質していった。…
※「保馬法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新